STAFF START
ケース April 12, 2022

アルペンがOMO型・旗艦店「Alpen TOKYO」をオープン、STAFF STARTで実店舗とオンラインをつなぐ新たな挑戦とは?

株式会社アルペン 蒲山雅文さん、秋山朋大さん、武藤恵一 さん
2021年10月、スポーツ用品小売業界で初めてSTAFF STARTを導入したアルペン。豊富な接客経験と専門知識を持つプロフェッショナルの力を活かして、オムニチャネルの推進に取り組んでいます。2022年4月、東京・新宿にオープンしたグループ史上最大規模の旗艦店「Alpen TOKYO」では、STAFF STARTの投稿をデジタルサイネージ60台に投影する新たな取り組みも始まりました。専門性の高い店舗スタッフの接客や販売力を軸に、アルペンでデジタル本部長・情報システム部長を務める蒲山さん、店舗サポート部長として全国の店舗スタッフのオペレーションを管轄する秋山さん、EC事業部長の武藤さんの3名に、オンラインと融合したOMO型店舗に挑戦するアルペンのキーマンとしてのお話しを聞きました。

1. STAFF START 経由のCVRが3倍に、想定外の反響も

―まずは、STAFF STARTを導入した背景を教えてください。

武藤氏:OMOを進めるためです。店舗受取サービスなどのO2Oにこれまでも取り組んでいましたが、さらにOMOへ施策を発展させるにあたり、当社の強みである約400のリアル店舗とプロフェッショナルが揃う店舗スタッフの力を活かさない手はないと考え、STAFF STARTの導入に至りました。

―スポーツ用品小売業界初の導入というのはもちろん、2021年6月に問い合わせいただいてから4か月後にリリースと、御社の企業規模では異例ともいえる早さで導入が進んだのも印象的でした。

蒲山氏:当社では2020年からCOOと各セクションのトップによるワーキンググループを立ち上げており、OMOをどのように実現するか、VR/ARなどXR系の技術をいかに店舗に取り入れるのか、新しいスポーツストアの在り方について、店舗やEC、システム等の部門の垣根を超えて定期的に議論を重ねてきました。それによって部門間の連携や意思決定のスピードが大きく向上した経緯があります。STAFF STARTの導入も、そうした下地があったからこそ、短期間で実現できました。

―実際に導入してみて、その効果をどのように実感していますか。

武藤氏:最も効果が現れているのはCVRです。STAFF START経由のCVRは通常投稿と比較して約3倍の実績が出ています。スポーツ用品小売業界では初の導入というのも話題になり、取引先メーカーとの協業も活発になりました。例えば、これまでは売り場の一番目立つ場所に商品をディスプレイしECに関連するバナーやランディングページを設けるのがよくあるケースでした。しかし、今回STAFF STARTを導入したことで、よりお客様の視点に立った発信ができるようになったことに注目したメーカーから、様々なお話をいただけるようになっています。

―ECの利用や購買行動にも変化は見られますか。

武藤氏:「商品を検討→他の商品も見てコーディネートを考える」という導線に、「コーディネートを提案→商品を選定する」という新たな導線が加わったのは大きな変化です。アパレルだけでなくキャンプアイテムでも、実際の使用感が伝わる提案を行うことで、ECサイト上の回遊性も増し購入点数の増加にもつながっています。レビュー投稿についても、比較対象の充実によるPV数の増加が見られます。

秋山氏:アイテム別では、ゴルフクラブやランニングシューズのレビュー投稿が順調です。いずれも品番の数が多いアイテムであり商品選択をサポートする役割をしっかり果たせている現れだと思います。特にゴルフは実店舗も非常に強い領域ですが、全国で販売実績トップを誇るプロフェッショナルな店舗スタッフの投稿が人気で、6~7万円前後するクラブが売れることもあります。

―20以上のカテゴリーごとに評価スケールを設定するなど、レビュー投稿にこだわりを感じます。レビュー投稿に注力するのはどうしてですか。

秋山氏:スポーツ用品は家電などと異なり機能やスペックの違いがわかりにくい商品が沢山あります。それが果たして自分に合うのか、求めているものかという観点で見ると、なかなか判断が難しい特性があります。そのため「店舗で試し履きする」「試打する」といったプロセスが購買行動に求められる一方、オンラインではそのプロセスを補完する取り組みが十分に実現できていませんでした。しかしSTAFF STARTを通じて、沢山の接客経験を持ち高い専門性を持つスタッフが、お客様の視点に立った商品をレビューすることによってEC上でのお客様の購買を後押しする狙いがあります。

2. OMO 旗艦店「Alpen TOKYO」が目指す新たな店舗のカタチ

―2022年4月、グループ史上最大規模となる旗艦店「Alpen TOKYO」がオープンしました。売り場では、STAFF STARTのコーディネート投稿や、レビュー投稿もサイネージに投影してくださっています。まずは「Alpen TOKYO」出店の背景を教えてください。

蒲山氏:これまでの当社のビジネスは本社のある名古屋以西と北海道が比較的強いエリアでした。ECだけでみると東京のお客様に一番利用いただいているのですが、ほとんど都内に店舗がなくOMOが成立しにくい状況にありました。ですから、当社として東京に拠点を持つというのがAlpen TOKYOの大きな目的のひとつです。

その様な目的設定もあり、社内ではAlpen TOKYO をOMOの旗艦店に位置付けています。非日常性やエンターテインメント性を内包するスポーツ用品という商材を取り扱う以上「まず売り場に来て、商品選びを楽しんでいただきたい」という想いがあり、オンラインから店舗に送客するだけの施策では不十分で、OMOの取り組みが欠かせないものだと当社は考えています。お客様から店舗スタッフにお声かけいだく機会は大切にしつつも、可能な限り多くの情報をオンライン上に展開し、お客様ご自身で商品を手に取り、オンラインでそのアイテムについて調べ、場合によっては在庫の有無まで確認でき、十分納得した形で購入いただく。この一連のプロセスをOMO施策によって最大限強化したいというのが根底にある発想です。

スポーツ用品のお買い物を〝面倒な〟ものでなく〝楽しく〟〝ワクワクする〟体験に昇華するためにOMOの強化は必須であり、4月8日にリリースしたAlpen TOKYO専用のVRサイトも含め、これからも色んなことに挑戦したいと考えています。

―OMOの目玉施策のひとつとして実現したのが、STAFF STARTのサイネージ活用というわけですね。

蒲山氏:豊富な専門知識を持つ店舗スタッフによる商品レビューを、デジタルサイネージを通じて、アイテムミックス、ブランドミックスで比較しながら買い物できるのはAlpen TOKYOならではの付加価値です。サイネージに投影するコンテンツは、各メーカーの最新アイテムなどを中心に、ECサイトでのPV数が多い順に自動表示する形をとっています。

―店頭での展開実現に至るまでの経緯も教えてください。

蒲山氏:デジタルサイネージを売り場で積極的に使っていきたい意向は早い段階からありました。その流れで、アパレルの先行事例があるコーディネート投稿に関しては、比較的すぐに実施が決まりました。一方、複数のブランドやアイテムを見比べて買い物できるのがスポーツ用品小売の強みであり、その意味でも、商品レビューを何かしらの形で活用できないかという話しが挙がり、活用方法を模索する中で、大型のデジタルサイネージに複数のレビューを並べるアイデアが出て、現状の1枚のサイネージで5つのレビューを載せる形に落ち着きました。

―デジタルサイネージに活用するにあたって投稿内容のルールを決めたり、フォーマットを用意するなどの準備はしましたか。

秋山氏:導入した当初は自由に投稿してもらう形をとっていましたが、デジタルサイネージへの活用が決まったことから、レビュー投稿はタイトルや文字数をある程度決めて、売り場でもお客様にしっかり伝わるよう運用を改めました。また、Alpen TOKYOでしか手に入らない限定商品をデジタルサイネージで訴求するために、該当する商品を優先的に投稿するよう店舗スタッフに働きかけています。

武藤氏:それも新たな取り組みのひとつです。これまで店頭限定商品はEC未掲載でしたが、Alpen TOKYOの限定商品は、ECで購入ができない状態にした上で、オンラインで商品情報やコーディネート投稿、商品レビューをチェックできるようにしました。少し先では、そうした商品の店舗在庫も表示していく予定です。

蒲山氏:それに伴い、Alpen TOKYO内に撮影機材をそろえた専用のコーナーも設けました。通常、ECに商品情報を掲載する場合、いわゆる〝ササゲ(撮影、採寸、原稿)"が必要になりますが、Alpen TOKYOの限定商品は、それを担うセクションのEC倉庫には届かない仕組みです。通常の投稿フローから外れる店舗限定の商品についても、店舗スタッフ自ら撮影できる環境を整えることで、スムーズにECに情報を反映できる体制を作ったのです。

「Alpen TOKYO」デジタルサイネージ活用事例を動画でチェックする

3. 店舗やスタッフを最大限に活かすことが、成功の鍵

―STAFF STARTをデジタルサイネージに活用する取り組みを今後、他の店舗にも横展開する予定はありますか。

蒲山氏:はい。Alpen TOKYOでの取り組みが軌道に乗った段階で、コーディネート投稿も商品レビュー比較も全国の既存店に展開していきたいという構想があります。店舗にも地域性がありよく売れるカテゴリーやご来店される客層など特性は様々です。店舗ごとに自分たちで投影するコンテンツを決めて運用する形が理想と考えています。演出物のペーパーレス化だけでなく、各店舗の強みを打ち出す有効なツールにもなると考えています。

―STAFF STARTの活用は、店舗スタッフのモチベーションにもつながっていますか。

秋山氏:実際に投稿を行っている店舗スタッフからは「楽しい」「反響がわかってやりがいに繋がる」といった声が多く寄せられています。特に、社歴の浅い若手社員のモチベーションになっているようです。十分な経験がないために店舗内の作業やマネジメントで未熟な面がある場合でも、STAFF STARTでは自分の個性や商品への愛情をストレートに表現でき、その頑張りが数値で可視化されることで、やりがいを実感できているようです。これまでの当社にはなかったやりがいの創出に繋がっていると思います。

一方、成果の面では40代男性で店長のKentaさんが突出した実績をあげており、画像を自分で合成したりロゴを加えたりと工夫するなど意欲的に取り組んでもらえています。主要顧客と年代が近いことも支持されているひとつの要因だと考えています。

おすすめのスタッフコーディネート投稿
https://store.alpen-group.jp/f/dsscd-10721139

―最後にこれからSTAFF STARTを活用して取り組みたいことや、今後の展望をお聞かせください。

秋山氏:スポーツ用品はなかなか簡単には選べない商品が揃っているのも事実。店舗スタッフの専門性や販売力こそが私達の強みであり、だからこそ店舗スタッフの力を引き出すのがポイントです。今後、カテゴリーごとのバラツキをなくし、より一層、専門性の高いサービスや提案を行う上で、STAFF STARTの取り組みが有効だと考えています。投稿する店舗スタッフには専門性が身に付きますし、その周囲もレビューを通じて学べます。また、投稿するスタッフを増やしていくことで、自ずと現場の販売力にも返ってくるでしょうし、引き続き、全体の底上げを図り、他が追随できないモデルを作り上げたいです。

武藤氏:STAFF STARTを導入してまだ日が浅いですが、機能面ではまだPLAY機能を実装できていません。スタッフのスキルアップとともに実現していきたいサービスのひとつであり、店舗の強みを最大限に生かすことが基本路線であり腰を据えて取り組みたいです。

蒲山氏:スポーツ用品小売はメーカー各社がECや直営店を出し、直接、商品をお客様に届けるD2Cのスキームに大きく舵を切っています。そうした環境下でも、当社をパートナーとして選んでもらえるようアピールし続けなければならないですし、OMOはその生命線の一つであると捉えています。今回のデジタルサイネージと連動させた取り組みにはそのドライバーとしての役割を期待しています。

蒲山雅文氏
株式会社アルペン 執行役員 デジタル本部長 兼 情報システム部長
大手SIer、国内独立系コンサルティングファームを経てアルペンに入社。全社IT戦略策定から各種プロジェクトの企画構想、実行までを主導。近年は各種クラウドサービスやローコード開発ツールを組み合わせた内製化に力を入れ、店舗出身者のみで構成されたIT部門で同社が持つ約800万人の会員、1億件の購買明細というビッグデータを管理する仕組みの内製構築に成功。今後はデータの管理から利用へと活動をシフトさせ、顧客データの分析やOne to Oneマーケティングを内製で実現可能な体制の構築を目指す。

秋山朋大氏
株式会社アルペン 人材戦略室長 兼 店舗サポート部長
2001年3月アルペンに入社。その後10年間の店舗勤務の後、店舗オペレーションを管轄する「店舗サポート部」の前身である、業務改革プロジェクト、業務改革部を経て2018年に店舗サポート部長に就任。2020年から人材戦略室長も兼務。店舗側の導入責任者としてリアル店舗で活躍するスタッフの強みを生かすOMO戦略の一環としてSTAFFSTARTの導入・定着化を推進。

武藤恵一氏
株式会社アルペン EC事業部長
2001年4月アルペンに入社。10年間店舗勤務の後、業務改革プロジェクト、戦略企画室、VMD部を経て、2018年EC事業部長に就任。 同年10月に自社ECを立ち上げ、3周年の今、リアル店舗の強みを生かすOMO戦略の一環としてSTAFF STARTの導入に至る。

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