STAFF START
ケース December 7, 2022

バロックジャパンリミテッド、オンライン接客で即完売も。STAFF START×SNSで“売れる”OMO推進

株式会社バロックジャパンリミテッド 田村英紀さん、村岡美里 さん
「MOUSSY」「SLY」などの人気ブランドを持ち、グローバルに展開する株式会社バロックジャパンリミテッド。同社では、いち早くSTAFF STARTやSNSをとりいれ、ブランドと顧客をつなぐ存在として店舗スタッフの力を活用。ライブコマースで成果をあげるだけでなく、ファンと関係を築きインフルエンサーとしてSNS上で影響力を持つスタッフが220名以上在籍しています。店舗スタッフの「個」を生かしたOMO推進について、EC事業部長 兼OMO推進部長の田村英紀氏と、「STAFF OF THE YEAR(スタッフ・オブ・ザ・イヤー)」の初代優勝者であり、現在は本社の販売部に所属し店舗スタッフ向けのSNS接客教育のみならずオフィシャルスタッフとして幅広く活躍する村岡美里氏に話をうかがいました。

1. STAFF STARTを経由した売上が約3倍に成長

―STAFF START導入の背景を教えてください。


田村氏: SNSの専門チームを立ち上げ、ブランドの顔となる店舗スタッフの輩出や強化を進めるなか、その活動をどう販促につなげるのか、また、どのように効果を可視化するかが課題でした。社内でオフィシャルスタッフやビジュアルスタッフと呼ぶブランドの看板を背負う店舗スタッフには、該当する手当を支給していたものの、その活動による事業への貢献度の評価をできておらず課題を抱えていました。そこでSNSからECへの送客や店舗スタッフのEC売上貢献度の可視化を目的として、STAFF STARTを導入することにしました。

―STAFF STARTに関して、直近の施策や目標を教えてください。


田村氏:STAFF STARTの活用がオンライン上でのブランド認知や売上拡大のカギとなるため、エリア別に見たSTAFF START参加率100%を目標に掲げて取り組んでいます。EC事業部と販売部が連携しマニュアルの作成や説明会を開き、STAFF STARTの啓発を行なってきたことで、導入当初と比べ、参加率を6倍にまで伸ばすことができています。

―STAFF START導入後の成果状況はいかがですか。


田村氏:サービス導入を開始した2019年と比較して、STAFF START経由の売上は258%増と成長を遂げています。スタッフのSTAFF START参加率が高まり、それによって投稿枚数が増えたことで、コーディネート投稿を見て商品を購入するお客様が増えていることが背景にあります。EC売上のほかにも、STAFF STARTに投稿したコンテンツをランディングページに活用し工数を削減したり、MOOKやメディアで取り上げる新たな店舗スタッフの発掘につながったりと、好循環が生まれています。

2. 店舗スタッフの力をオンラインに生かし最大化する秘訣

―STAFF STARTの運用方針を教えてください。


村岡氏:あまり細かくはルールを定めておらず、写真の撮り方やコツを紹介する資料を配布するほか、現在は店長を中心に、基礎的な撮影方法のレクチャー会などを開催し、投稿のクオリティ管理を行っています。スタッフが店頭に立つ際には、どういったヘアスタイルやメイクで接客にあたるかをシーズンごとに定めており、それによってSTAFF STARTの投稿に関しても、ブランドの世界観を保つことに寄与しているかもしれません

撮影は、2年ほど前から店舗スタッフのシフト内に時間を設け店頭業務の一環として取り組めるようにしています。2人ペアで交互に撮影する形で、1回30分程度。平均2着分の撮影をこなしています。この時間以外に、鏡越しでの撮影や物撮りなど接客の空き時間を活用しているスタッフもいます。

投稿画像は、頭からつま先までぴったり収まるように余白を統一し、一覧でコーディネート投稿が表示された際、統一感があり見やすくなるようにしています。2Wayの商品であればそれぞれの着こなし方、一方向だけでなく、様々な角度から撮った画像を載せることで、商品画像だけではわからないよりリアルなスタイリング情報を伝えられるように心がけてています。

また、お客様がSTAFF STARTの投稿で一番参考にされているのは、店舗スタッフの「身長」と着用商品の「サイズ」情報であるため、画像とともに、テキスト欄に正確なサイズを載せることを徹底。個々の勤務状況にもよりますが、おおよそ週3~4回の投稿を目安としています。

田村氏:STAFF STARTのコーディネート投稿は商品を購入してくださったお客様へのレコメンドにも効果的です。ECサイト内での更新だけでなく、メール、LINEやアプリなどを使って、適正なタイミングで配信し活用していくことをこれからもっとできればと考えています。

―御社ではInstagram、TikTokをはじめ複数のSNSを活用されています。SNSの使い分け方や、STAFF STARTとの連携方法を教えてください。


村岡氏:店舗スタッフ個人のライフスタイルや世界観を伝える投稿はInstagramで行い、サイズ感や着用感など洋服そのものについてはSTAFF STARTで行うといった使い分けをしています。Instagramのプロフィール欄には「【ここからお洋服がご購入出来ます】」などの一言をくわえ、商品が気になったお客様は、専用URLからSTAFF STARTの投稿ページ に飛べるようにしています。

Instagramのライブ配信では、番組で紹介する商品をSTAFF STARTにあらかじめ投稿しておき、InstagramからSTAFF STARTへの導線を用意。ECストア上で商品をひとつひとつ探す手間なく、STAFF START上でコーディネート一式を見られるようにして、スムーズに購入に移行できるよう工夫しています。ライブ配信に関しては、「デニム」や「アウター」など季節やトレンドを踏まえながらテーマを絞った配信がお客様の反応が良い傾向があります。

TikTokはブランドによって活用状況が異なりますが、拡散性が高く認知拡大や販促の一環として活用する店舗もあります。私が21年まで所属していた「rienda」では、早くからTikTokに着目。スタッフ全員で同じハッシュタグをつけ再生回数を競う「TikTok選手権」といった企画を実施するなど、ゲーム要素を取り入れながら販促に活用してきました。人気商品でもある「シンデレララインコート」を紹介した際には、TikTokからTwitterに話題が波及し即完売という好事例も生まれました。TikTokの動画を店頭で見せられるケースも増えており、アカウントを運用するスタッフが増えており、Tiktokもプロフィールページから、STAFF STARTに飛べるようにしています。

―店舗スタッフがオンラインでお客様とつながる秘訣を教えてください。


村岡氏:店舗の接客がうまいスタッフはSNSでお客様とつながることも上手です。接客力を磨くことがSTAFF STARTやSNSの世界でも活かせるのは間違いありません。店頭とSNSは分けて考えられですが、店頭とオンラインの接客は別々ではなく、店頭で輝くスタッフは、画面を通しても活躍できるというのが本質だと思います。

お客様の心を掴むには、そのインサイトやニーズを汲み取ることが非常に重要です。自分のフォロワーが何を求めているのかを見極めた提案や投稿が求められます。お客様やフォロワーのニーズを理解するために、投稿へのコメントはもちろんですが、私の場合はインサイトなどデータを活用しています。自分が投稿した内容を数値とともに振り返り、PDCAを回すことが、お客様とつながるポイントのひとつです。

また、これは「MOUSSY」オフィシャルスタッフのなとりかさんの投稿から学んだことですが、コーディネートの投稿と一緒にのせるテキストでも、商品情報だけでなく自分なりの視点でさりげなく一言を加えるような気配りが、「この人から買いたい」と思ってもらえる信頼関係の構築には有効だと思います。

3. 「STAFF OF THE YEAR」の“前”と“後”の変化

―村岡さんは、接客の日本一を決める「STAFF OF THE YEAR」の初代優勝者でもあります。どのような心境で大会に臨んだのでしょうか。


村岡氏: 当時私は、福岡のソラリアプラザ店に勤務でしたが、大会後に本社への異動が決まっており、「大会で一花咲かせて本社に」とはっぱをかけられていたものの、なんといっても初開催で、右も左もわからない状態だったので緊張することなく挑めました。ありがたいことに優勝できたことにより、テレビで特集が組まれたり、ファッション誌や雑誌、新聞などで紹介してもらえたり、多くのメディアに取り上げてもらう機会に恵まれました。大会を前後して、また以前とは違った新しい経験をさせてもらうことができていると感じています。

―本社勤務に異動後は、どのような仕事に従事されているのですか。


村岡氏:現在は、オンラインにもオフラインにも通用する店舗スタッフの育成に向け、店舗の指揮を執る店長向けの講習の講師をつとめています。私自身店長を7年間つとめてきましたが、一緒に働く仲間のなかには、SNSに向き合うモチベーションが高く、フォロワー数や売上につなげることができるスタッフが少なからずいました。店舗スタッフが成果をあげるには、SNSの取り組みを集客や売上につなげることはもちろんなのですが、いかにSNSを店舗スタッフのやりがいやマネジメントにつなげていけるかも大事な視点になります。恐れ多いんですが、そういった経験も活かしながら、講師を務めさせてもらっています。

―御社は「STAFF OF THE YEAR」で21年は1位、2位を独占、今年も2位、3位と好成績を上げています。社内ではどのような反響がありましたか。


田村氏:「STAFF OF THE YEAR」の1位を獲得した村岡のように、高い接客力を持ち、SNSで活躍する店舗スタッフがもっとたくさん生まれればブランドの認知度や人気にもつながりますから、そういった影響力のあるスタッフをもっと増やそう、さらにSNSを強化しようという機運につながっています。

村岡氏:今年は、大会に向けたリハーサルや本番用のマニュアルの用意など大会出場者の指導・サポート役という形で「STAFF OF THE YEAR」に関わらせてもらいました。大会で好成績をあげられるようスタッフ同士ノウハウを共有しよう、新たな人材を輩出していこうという一致団結した良い流れが生まれています。

4. LINE STAFFSTARTを活用し、スタッフコマース深化へ

―最後に、STAFF STARTを活用した今後の展望をお聞かせください。


田村氏:ブランドとしてどのようにファンを増やすかを考えたとき、その鍵を握るのは店舗スタッフです。店舗スタッフ個人のファンを増やすことが、ひいてはブランドの認知度や目標達成につながります。ですから、SNS強化の取り組みを今後すべての店舗スタッフに広げ、フォロワー数をさらに伸ばしていきたいと考えています。SNS強化の土台として、STAFF STARTによるEC売上貢献度の可視化は、スタッフのモチベーション維持に欠かせません。今後も、STAFF STARTを今以上により効果的に活用したいと考えています。

それと同時に、店舗にもECにもどちらにもアクセスでき、かつ買い物しやすい環境を整えることも重要です。EC、店舗どちらかの視点に偏るのでなく、お客様の視点でどこでも快適に買い物できる環境を整えることに注力していきます。また、お客様とのコミュニケーションツールとしては、「STAFF OF THE YEAR」に選ばれたメンバーを軸にLINE STAFF STARTを利用し、OMOとしての店舗やECへのタッチポイントを個人ベースでも拡大してきたいと考えています。

株式会社バロックジャパンリミテッド
EC事業部長 兼OMO推進部長
田村英紀氏

2019年入社。EC事業部長として「SEHL’TTER WEBSTORE」をはじめとするバロックジャパンの国内EC事業を統括。2021年よりOMO推進部長も兼務し、店舗スタッフによるWEB接客やライブコマースに取り組む。


株式会社バロックジャパンリミテッド
営業・販売本部 販売統括部 トレーニンググループ デジタルマネジメント
村岡美里氏

2012年にrinedaの販売員として入社。「スタッフオブザイヤー2021」グランプリを獲得。2021年11月より本社へ異動。全国の店舗スタッフに向けてSNS教育を行う傍ら、バロックのオフィシャルスタッフとして自らもSNSでの情報発信を行う。
Instagram:@misato_muraoka
TikTok:@muraoka_misato
(https://www.tiktok.com/@muraoka_misato?is_from_webapp=1&sender_device=pc)
Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCdFfTgOWfdfyHyQonDBC1GA

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