STAFF START
ケース August 24, 2022

STAFF START 導入後、EC売上2.2倍を達成!クロシェがソーシャルセリングで描く成長戦略

株式会社クロシェ 村岡 乃里江さん
「ここち良さを、あたらしい視点から」をビジョンに掲げるクロシェ。年間8万足以上も売れるシューズブランド「farfalle(ファルファーレ)」や、神戸・山の手スカートが人気の「TRECODE(トレコード)」、キュレーション型セレクトショップ「Jasmin Speaks(ジャスミンスピークス)」などのレディースアパレルを展開しています。独自のブランド戦略で知られる同社は、2021年7月よりSTAFF STARTを導入。7店舗、催事・本部スタッフ合計48名という小規模体制の中で、STAFF STARTをどのように活用し、EC売上拡大につなげているのか。同社 業務推進室 室長/広報の村岡 乃里江氏に話しをうかがいました。

1. 自分たちで手を動かしながらEC強化

―自社ECサイト「クロシェオンラインショップ」が立ち上がったのが2018年。当時のECマネージャーが村岡さんだったとお聞きしました。


元々はプレスとして働いていましたが、子育てのため一旦離職。再び働き始めるタイミングで、ECを担当することになりました。今もですが「自分たちでできることは、なるべく自分たちで」という社風です。着用モデルやブログ、メルマガ配信、バナー制作、SNSの投稿は基本的に内製しています。EC運営は私自身未経験だったので、勉強会やセミナーに参加して一からノウハウを学びました。画像加工ソフトもなければ、EC用の仕入れ商品もない“ないない尽くし”のスタート。手探りの連続でしたが、商品がテレビ番組で取り上げられたことなどが重なり、軌道に乗っていきました。

今でもよく覚えているのは、LINE公式アカウントを月額5000円で利用できるコースがあると知り「使ってみたい」と提案したら「まだ早い」と一蹴されたこと(笑)。同じ頃に、STAFF STARTのことも知って、良さそうなサービスだと思ったのですが、この一件もあったため、自分のところでとどめておいたんです。

―その後、2020年にSTAFF STARTを導入しますが、きっかけは何だったのでしょうか。

「社員みんながSNSを使いこなす」「EC化率を上げる」という2つの方針が社内で打ち出されたのが2020年の年初。振り返れば先見の明があったと思いますが、当時は戸惑う社員の方が多かったです。間もなくコロナ禍がはじまり、Instagramのライブ配信を始めたものの、「店頭の接客がおろそかになる」「ライブ配信をやっても自分たちの実績になるのか」と懐疑的な声が多く、店舗とオンラインの垣根を超えられずにいました。その解決策として期待したのがSTAFF STARTでした。その当時、ちょうどSTAFF STARTがTVで紹介されているのをたまたま見かけて、「これがあった!」と以前のパンフレットを引っ張り出しました。

「クロシェ」のコーディネート投稿
https://www.cloche.shop/p/coordination?label=ff&sort=pv

―導入の決め手になったのは、何でしたか。


①店舗スタッフの評価につながり、②簡単に投稿でき、③スタッフの「個」の力を高められる点です。STAFF STARTであれば、店舗スタッフも前向きに取り組めるのではないかと考えました。当社では「futureshop(フューチャーショップ)」というECプラットフォームをシステムに採用していますが、その担当コンサルタントから導入にあたってアドバイスをもらえたことも後押しになりました。先行事例を共有してもらい、我々と同じような店舗規模の会社でもSTAFF STARTを使って成果を上げていると知り、成功のイメージを描くことができました。futureshopは事業のフェーズによって機能を拡張しやすいのが魅力ですが、STAFF STARTはfutureshopとも連携しており、スムーズに導入できました。

2. EC売上は2.2倍。STAFF START経由のCVRは2.9%を記録

―導入後、どのような成果が出ていますか。


7店舗に所属するスタッフに加え、催事・本部スタッフ合計48名で投稿を行っていますが、小規模な体制にもかかわらず、2021年7月~2022月6月期のEC全体の売上は前年同期比の2.2倍に伸びています。CVRに対する貢献に関しても、安定して成果が出ており、STAFF STARTを経由したCVRは通常時と比べて約3倍と貢献しています。直近のセール期で、STAFF START経由のCVRは2.9%と過去最高を記録しました。また、直近のEC化率は25%、2022年上半期には最大50%を超えたブランドもあります。

コーディネート投稿のポイントは、「身長」だけでなく「自分の骨格」や「イエベ/ブルべ」といった基本データを記載し、お客様が属性を参照して選べるようにすることです。STAFF STARTで活躍している店舗スタッフは、ここをしっかりできています。また、画像だけでなく、テキストでもサイズ、生地感や素材、着用コメントをわかりやすく丁寧にまとめており、お客様を迷わせることなくカートへ誘導できています。

STAFF STARTはEC強化にわかりやすく貢献しているのはもちろんですが、店舗スタッフの活躍のステージが広がった点でも、メリットを強く感じています。会社としてもいい流れが作れていて「働き方」が変わるきっかけになったと感じています。

「クロシェ」の実績の高かったコーディネート投稿例
https://www.cloche.shop/p/coordination/4574352

―どのように「働き方」が変わったのでしょうか。


スタッフが必ずしも「店舗」で働く必要がなくなりました。当社の場合、常設店舗での販売と、百貨店の催事場での販売と2つのパターンがあります。後者の店舗スタッフは所属店舗を持たず、全国の催事場を渡り歩き、行く先々でコーディネート投稿を行っています。また、元々催事販売スタッフとして働いていて奄美大島に引っ越した社員は、そのロケーションを生かしてコーディネート投稿を続けています。結婚、出産、介護などライフステージの変化があった時に、店舗で働く以外の選択肢が出来たのは大きいことです。これまでであれば辞めざるを得なかったケースでも、働き続けられるからです。スマホとWi-Fiと商品さえ揃えば、時間や場所に縛られない働き方ができる。店舗にいなくても働ける、これはSTAFF START導入の大きなメリットだったと思います。

―EC運営チームは増員されて、7人に増えたそうですね。


会社の体制が変わり、大胆な意思決定ができるようになってきました。ECの機能拡張はSTAFF STARTが初めてでしたが、これを皮切りにチャットボットやCRMツールなども導入して、取り組みを強化しています。また、ECでどう売上を作るかが経営レベルで重視されるようになってきていると感じます。

3.「成果を出したい」、スタッフも積極的に

―STAFF STARTを始めるにあたって、店舗スタッフの巻き込みに尽力されたとお聞きしました。


新しいチャレンジを始める時は、まず小さくてもいいから成果を出すこと、売上を作ることが重要です。そこではじめに、社内コンテストを企画しました。今でもよく覚えているんですが「いいじゃん」「いいじゃん」を掛け声にした企画で投稿をひとつアップしたら「いいじゃん」、売れたら「いいじゃん」と盛り上げて(笑)。「STAFF START経由の売上実績」「PV数」「投稿数」の3つのカテゴリーで表彰式を実施。加えて、成績上位者には投稿のどこがよかったか、どういう工夫をしたのかインタビューを行いました。取り組みを振り返ることで、みんなでPDCAを回せるようにしたんです。

より多くの人に参加してもらえるよう、遊びの要素も意識しました。また、「投稿数」は努力目標でもあるので、賞金を山分けキャンペーンにしました。投稿数の多い人が成績がいいのでは、というのが当初の仮説です。STAFF STARTは一部のブランドから導入していったので、全ブランドが加わったタイミングで、もう一度、投稿促進を目的とした社内キャンペーンを実施。ひと通り店舗スタッフを巻き込めたタイミングで、STAFF STARTの売上実績に応じたインセンティブの付与に切り換えました。

―店舗スタッフの方達の意識も変わりましたか。


STAFF STARTで好成績を上げている店舗スタッフが成功事例として評価されるようになったことが、他メンバーの発奮材料になりました。投稿に取り組んだことで「売れて、嬉しい」実感が持てるようになり、さらに「売れるには、どうすればよいか」と自主的な取り組みに繋がったと思います。正解はひとつではありませんが「売れる」ためには、絶対的な売れ筋の商品を投稿することもアプローチのひとつです。自分なりの売り方を考えることが接客の醍醐味ではありますが、成功体験を積み重ねられたことが、取り組みを定着させる上でポイントになったと思います。

最近は、STAFF STARTで活躍しているスタッフから「投稿のノウハウ」をみんなに共有したいといった声があがるようになりました。毎月店舗スタッフを集めて、DXやSDGs、新規事業や働き方をテーマにした勉強会を実施していますが、そこで講師を務めてもらう予定です。ひとりひとり得手不得手は違いますから、必ずしも投稿を強制はしていませんが、取り組む意識は大きく変わったと思います。

―STAFF STARTを通じて、店舗スタッフに活躍してもらうためには、どんなサポートが必要だと思いますか。


勤務時間中に撮影や投稿ができる環境を整えることはまず大前提です。店舗スタッフの業務だという意識を根付かせるためのインセンティブ設計も重要でしょう。店舗スタッフがSTAFF STARTを使うにはアプリの利用が必要になるため、スマホを支給することも検討しましたが、当社の場合は「スマホ手当」を支給しています。

4. 新規事業「ソーシャルセリング」を次のビジネスに

―先ほど、「ECでどう売上をたてるかを重視するようになってきた」というお話がありましたが、それはなぜですか。


お客様の視点に立った時に、お店に行かないと買えないより、お店でもECサイトでも買えた方が魅力的だからです。ブランドの生き残りを考えても「どこでも買える」方が商圏は広がりますから。今準備を進めている新規事業でも、ECとの相性は非常に重視しました。少子高齢化でモノが以前のように売れなくなり、2040年にはモノを買わなくなるという未来予測もある中、クロシェとしてどんな未来を描き、課題解決に貢献するのか。社員ひとりひとりがアパレルに限らず新規事業のアイデアを出し合っています。新規事業はスモールスタートを予定していて、それにSTAFF STARTも活用したいです。アパレル以外の業態でSTAFF STARTを活用する事例が続々と増えているので、こういったやり方もあるな、と参考にしています。

―新規ビジネスでのSTAFF START活用、待ち遠しいです。


キーワードは「体験」です。そこに行かなければ出来ない「体験」も活用したいし、信頼しているスタッフから紹介されたものを買う「体験」、そういった「体験」ができるビジネスをできないかと考えています。今の若い人達の消費行動を見ると「信頼しているスタッフからのおすすめ」や「体験」が購買のとても大きなファクターになっています。それは「失敗したくない」「安心して買いたい」ことの裏返しでもあると思うのですが。新規事業は、地元の大学生たちと一緒に取り組んでいて、そういった「体験」や消費行動の変化から着想を得たビジネスを温めています。はじめのうちは「そんなニーズがあるの!?嘘でしょ!?」と思ったんですが、楽しみにしていてください。

株式会社クロシェ 業務推進室 室長/広報 村岡 乃里江氏

大学卒業後、第一企画(現ADK)入社。その後、TBSブリタニカでFIGARO・Penなど雑誌広告担当及びデジタルビジネス委員や、日経コンデナスト(現コンデナストジャパン)で、VOGUE誌の広告営業・タイアップを担当。2010年に株式会社クロシェ入社。約3年間、プレス担当を務めた後、育児などの休業を経て2018年に復帰。EC担当として「CLOCHE ONLINE SHOP特設サイト」の立ち上げなどに携わった後、現職。

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婦人服及び服飾雑貨の小売業(直営店10店舗)、輸入業、製造業

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