STAFF START
ケース December 5, 2021

EC売上の最大60%がSTAFF START経由のブランドも。ザ・ノース・フェイスなどを扱うゴールドウインのオムニチャネル強化策とは?

株式会社ゴールドウイン 販売本部EC販売部長 梅田輝和 さん
アウトドアファッションから、フィットネスなどのライフスタイルまで幅広く展開している株式会社ゴールドウイン。今回は、同社の販売本部 EC販売部長 梅田輝和氏に、どのようにデジタルを取り入れ集客に活かしているのか、またコーディネート提案のニーズがますます高まるスポーツアパレルメーカーとしてのSTAFF STARTの活用法をお聞きしました。

オムニチャネル強化に紐づくすべての“デジタル課題”を解決したい

―STAFF STARTを導入された背景をお聞かせください。
2020年7月に公式サイトをリニューアルしたことがきっかけです。リニューアルに向けた準備や構想はその約2年前から始めました。リニューアル前は、ブランドサイトとECサイトのURLが別々で分断されていたため、お客様にとっては使いづらかったんです。ゴールドウインは、オリジナルブランドから海外ブランドまで20のブランドを取り扱っていますが、一つひとつのブランドの世界観が際立ち、かつお客様にじっくりとご覧いただくためには、ブランドサイトとECサイトを一つに集約するべきだと考えました。

そこで、たとえば「THE NORTH FACE」のブランドサイトがあるとしたら、配下にECサイトが紐付いているという構造にすることになりました。

また、サーバ環境が非常に脆弱だったことも改善すべき点でした。そこで、サイトのリニューアルにあたって、システムの基盤強化にも取り組むことにしたのです。

オムニチャネル化をさらに強化・加速させていくことも、リニューアルの大きな目的でした。それまでもオムニチャネル化は進めてはいましたが、会員システムやブランドアプリといった仕組みにも細かい課題があり、十分ではありませんでした。そこでリニューアルに際し、これら全ての課題に取り組むことにしました。

STAFF STARTのサービスを知ったのは、ちょうどこうしたデジタル課題と向き合っていたタイミング。最初は「STAFF START=スタッフごとに発信する」というイメージがあったので、当社はスタッフだけでなく、店舗からの発信も力を入れていきたいと思っていたので、それでも大丈夫かが気になったのですが、代表の小野里さんのお話を聞いているうちに「できそう!」と思えてきて。「やりたいけれどやれなかったこと」の多くが解決するかもしれない、という期待を感じられたのが導入の決め手です。

―オムニチャネル化を進める中で、障壁に感じた点はありましたか?
よくある話かも知れませんが、社内の“組織間の壁”に悩まされました。事業部、店舗、ECが抱える課題や目標はそれぞれ異なります。そのため、まずはそれぞれの部署や組織に、なぜECサイトをリニューアルするのか、なぜオムニチャネル化を進めるのかという理由や意義を伝えることに力を注ぎました。特に、オムニチャネル化の主役である店舗スタッフに、どんなメリットがあるのかを理解してもらえなければ、オムニチャネル化を推進しますと言っても賛同してもらえません。実際に店舗で働くスタッフの立場に立ち、どうしたらオンライン接客に対する抵抗がなくなるか、どうしたら積極的にデジタルに取り組んでもらえるかを考えました。

店舗側にもさまざまな課題があります。そもそもコロナ禍前の繁忙期は入店制限をする店舗があるほどで、電話すら出られない時期も少なくありませんでした。にもかかわらず、当時はブログやスタイリングの発信、Instagramを行っており、全て店舗が管理していたんです。これでは業務負担が大きくて手が回りません。

STAFF STARTなら、ブログ、スタイリング、SNSを一括して管理できるため店舗の負担を軽減できること、また店舗やECが抱えていた課題をまとめてクリアにしてくれるため、店舗スタッフにはもちろん、どの部署のスタッフにも共感してもらいやすかったです。

―導入後に感じられた効果や、社内のみなさんの変化はありましたか?
グループ全体で平均するとEC売上の50%前後がSTAFF STARTを経由しています。ブランドによっては、最高60%を超えたこともありました。このような数字が明確に可視化されたことで、お客様がスタッフによる何らかの発信を見て購入に至っていることを改めて実感しました。特に、シーズンの立ち上がり時期はサイズ感やおすすめのコーディネートを知りたいお客様が多く、新商品に関連したコーディネートやブログがよく見られています。そのため、こうした時期はSTAFF START経由の売上が半分以上を占めることもあります。

さらに、STAFF START経由売上などの可視化された数字は、毎週欠かさず経営陣に報告しています。STAFF STARTの効果の大きさを役員に実感してもらえただけでなく、店舗スタッフの実力やオンライン接客の重要性に対する社内の理解が深まりました。

貢献度の可視化が、販売スタッフの公平な評価につながる

―先ほどおっしゃっていた「やりたいけれどやれなかったこと」について教えてください。
一つが店舗スタッフの「評価」です。オムニチャネル化を進める中で、店舗スタッフによるECでの貢献に対する評価は欠かせません。しかし、「どのように評価をするのか」「評価の基準をどうするか」が、非常に重要であると改めて実感しました。STAFF START導入前は、ブログやスタイリング、SNSなどの発信による効果が見えなかったため、店舗やスタッフのデジタル上の頑張りを正しく評価することができていませんでした。STAFF STARTを導入して、これまでは不明瞭だったスタッフの貢献度が可視化されたことで、正当な評価ができるようになったと言っても過言ではありません。

―スタッフの皆さんも評価されるとモチベーションが上がりますね。
そうですね。単純に経由売上だけで評価するのは困難でしたが、プロジェクトメンバーがオリジナルの評価点を生み出してくれたので、2021年5月に初めて、その評価点が高い店舗スタッフを対象に表彰式を開催しました。その際、店舗スタッフにアンケートを実施したところ、「売上や頑張りを本部の方々にしっかりと評価してもらえて嬉しい」「表彰してもらえて、もっと頑張ろうと思いました」という前向きな言葉が書かれていて。数字の可視化、そして正当な評価が、店舗スタッフのモチベーションにつながることを実感し、良い流れになっているなと感じています。

―評価の基準はどのように設定されましたか?
単純にSTAFF START経由の売上や投稿の閲覧数だけを比べたところで、公平な評価はできません。というのも、たとえば「THE NORTH FACE」など規模の大きいブランドの人気商品を投稿すれば、それだけで閲覧数は一気に上がってしまうからです。人気ブランドや人気商品に関する投稿はお客様に見られる数が違います。どのようなブランドを扱っている店舗かによっても有利不利があるため、公平に評価するための掛け率のような指標を弊社オリジナルで用意して、ブランドや店舗による差が出ないように配慮しました。

今後も引き続き、年1回は表彰式を行いたいと思っています。一方で、評価をどのように還元したら「スタッフが喜んでくれるのか」「より公平な評価を行うにはどうしたら良いのか」は今後取り組むべき課題です。現状、直営店舗の全店がSTAFF STARTを導入できているわけではありません。将来的には、約150店の直営店のうち導入できていない約50店や百貨店に入っている店舗まで含め、全店舗のスタッフを対象に評価を行いたいと考えています。全店舗が公平に評価されなければ、せっかく表彰式をやっても関係のないスタッフはしらけてしまいますよね。どうやって公平性を高めるか、さらに議論していきたいと感じています。

―コーディネート投稿時のルールなど、教育面での取り組みをお聞かせください。
各ブランドの世界観を維持するためにも、弊社ではクリエイティビティをとても大事にしています。そのため、STAFF START導入直後は、スタッフの投稿の品質を1枚1枚チェックしてからアップしていました。でも、それだと非効率ですよね。そこで、バニッシュさんにもご協力いただいてサポート資料を制作し、外部講師を招き、STAFF STARTの目的や効果、Instagramの運用ポイントなど、スタッフの疑問を解決するための講座を何度も開催しました。

また、カメラや撮影に詳しいスタッフが「商品をカッコよく表現できる撮り方」や「寄りで撮影する際のポイント」「活用したいiPhoneの機能」といったノウハウを定期的にレクチャー。自分の投稿がお客様にどう見られているのか、客観的な視点が磨かれると、より質の高い撮影ができるのではないでしょうか。同じブランドでも、店舗やスタッフによって差が生じることなく統一された世界観を感じていただけて、アウトドアやヨガ、ランニングなどブランドごとの個性を表現できることも、大切にしているポイントです。

―発信するスタッフの方々の理解が深まるまで、直接レクチャーされているのですね。
なぜやるのか? 何のためにやるのか? 投稿の主役である店舗スタッフがきちんと納得していなければ、ただ一方的に投稿させられている状態になってしまい意味がありません。こちらが何も言わなくても積極的にどんどん発信してくれて、投稿すればするほど質が上がっていく。これこそ、今まさに目指している姿です。

STAFF STARTの活用でブランドごとの多彩な世界観、機能性を表現

―「まとめ機能」を活用したショップブログには、大自然を味わえる情報も見られます。
多彩なエリアに出店していることもゴールドウインの特徴です。2019年5月には、世界自然遺産の知床国立公園内に「THE NORTH FACE」と「HELLY HANSEN」の複合店をオープンしました。

知床は日本有数の百名山である羅臼岳や硫黄山などに囲まれた素晴らしいエリアです。大自然が近くにあるからこそ、店舗が発信するブログやスタイリングにも、まるでロケーション撮影をしたかのようなリアリティのある投稿を上げることができます。さらに、アウトドアフィールドに恵まれた長野県白馬村には、新業態「THE NORTH FACE GRAVITY」の国内2号店を展開。ロケーション抜群のエリアの強みを活かしアウトドアシーンをイメージしやすい投稿ができると考えています。

―スタッフの方々による発信が、見る人々を楽しませるコンテンツになっていますね。
私たちはスポーツウェアを中心とする多彩な商品を提供していますが、たとえば「北アルプス初心者におすすめのコーディネート」など、登山やトレッキングといったアクティビティを想定したスタイリングが多いんです。極端に言えば、ウェアリングがお客様の命を守ってくれるケースもある。怪我をできるだけ減らしたり、汗冷えによる低体温症などの不調を防いだりと、さまざまなトラブルから身を守ることもスタイリングの目的の一つです。ファッションという領域を超えた機能性や安全性を、STAFF STARTを通じてお伝えすることも私たちの役割だと考えています。

―ファッションにとどまらず、スタイリングで伝えたい明確なテーマを感じます。
店舗スタッフによるスタイリングやブログを参考に、お客様に商品の正しい使い方や着用時のポイントを知っていただければと思っています。天候やシチュエーション、アクティビティに適したスタイリングをご自身で正しく選んでいただけることが理想です。投稿をとおして明確に伝えたいテーマがあることは、もしかしたら他のアパレル企業さんと異なる部分かもしれません。

よりリアルタイムで臨場感のあるデジタル接客を実現する未来へ―

―梅田さんが目指したい今後の展望についてお聞かせください。
現在検討しているのは、スタイリングをご覧になったお客様が「このコーディネート、かっこいいな」「このスタッフさんに聞いてみたいな」と感じたら、スマートフォンの画面を1回タップするだけで、投稿した店舗スタッフとコミュニケーションできるという仕組みです。お気に入りのスタッフやコーディネートを見つけたら、お客様がリアルタイムでオンライン接客を受けることもできれば良いですね。

また弊社では、ECを訪れたお客様が店舗の在庫状況を確認し、店舗在庫がある場合は店舗から代引き配送を申し込める独自のサービス「EC COLLECT」も行っています。EC COLLECTによる売上はもちろん店舗の売上になります。在庫の確認作業や配送作業を行う店舗スタッフの貢献に対してしっかり評価を還元しているため、店舗スタッフのモチベーションも下がりません。また、ECのお客様と店舗との接点が生まれることで、いつか「あの店舗に行ってみようかな」と来店につながるかも知れません。

こうした多角的なリアルタイムのオンライン接客方法が実現できれば、店舗やブランドによって様々なパターンに活用できるのではないでしょうか。

―「店舗スタッフが販売しても売上がECに付いてしまう」という課題は往々にしてありますが、ゴールドウインさんではすでに解消されているのですね。
そうです。弊社では店舗スタッフによるオムニチャネル施策をいくつか行っていますが、いずれも店舗スタッフの貢献として評価しています。オムニチャネル施策は大きく2つに分けられ、STAFF STARTによるコーディネート投稿やブログ、そして店舗スタッフが店舗のディスプレイや商品を見せながら、スマホを通じてお客様に1to1の接客を行う「オンライン接客コンシェルジュ」といったいわゆる“オンライン接客業務”がそのひとつ。

もうひとつは「EC COLLECT」の在庫管理・配送といった業務です。店舗スタッフにとっては、まるで日本全国に出張して接客するような感覚でしょう。「EC COLLECT」を始めてからは、在庫の流動性がかなり活性化してきました。

オンライン接客と在庫の流動化を並行して進めることで、オムニチャネルの成果が徐々に現れ始めていると実感しています。今後はオンライン接客によって、店舗にどれだけのお客様が来てくれているのか、実店舗への送客効果をより明確にしていきたいと考えています。スタイリングやブログ、Instagramを発信するいちばんの目的は「自分たちのお店を知ってもらう」ことです。そして、すでに知っているお客様には投稿を通じて「お店に来ていただく」ことが目的です。

積極的に「店舗に来てください」とは言えないご時世ではありますが、オンライン接客を通じて「緊急事態宣言やコロナ禍が終わったら、このスタッフに会いたいからお店に行きたいな」と思っていただければ、店舗スタッフも嬉しいのではないでしょうか。

梅田輝和氏
株式会社ゴールドウイン 販売本部 EC販売部長
入社以来、営業、商品企画、直営店運営、店舗開発などに従事。その後、デジタルのことはほぼ無知ではあったが、EC領域へ自ら志願。同僚からのレクチャー、セミナーや勉強会への参加、気になる本を読んだりしながら今現在も勉強中。趣味は散歩とランニング、たまに山登りと冬はスキー。

株式会社ゴールドウイン

各種スポーツ用品の製造および販売

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