STAFF START
ケース December 8, 2021

日本最大級の美容サイト「@cosme SHOPPING」を運営するアイスタイルの、オンラインでもオフラインでも「買い物体験」が楽しくなる仕組み作り

株式会社アイスタイル 小池亜子さん・ 市川梨沙
日本最大級のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」の公式通販サイト「@cosme SHOPPING」をはじめ、全国展開するコスメショップ「@cosme STORE」を運営するアイスタイルグループ。2021年4月にはSTAFF STARTを導入し、ECサイト上でも店舗で活躍する美容部員のオンライン接客を体験できるようになりました。 今回は、導入の経緯から効果まで同社のMDを担当する小池亜子氏と、EC部門を担当する市川梨沙氏にお話を聞きました。

「お客様にとって楽しい買い物体験」をオンラインでもシームレスに提供

―STAFF STARTを導入したきっかけを教えてください。

小池氏:アイスタイルリテールは「ネットとリアルをシームレスにつないだ楽しい買い物体験を提供する」というミッションを掲げています。新型コロナウイルスが感染拡大する中でも、お客様が快適な環境でお買い物ができるように整えていきたいという思いがありました。店頭には、化粧品や美容の専門知識が豊富な接客のプロフェッショナルが大勢います。商品について、お客様にとって分かりやすく説明できるスタッフの強みを、オンラインでも活かすためのツールとしてSTAFF STARTの導入を決めました。

―STAFF STARTに対して、どのような効果を期待されていますか。

小池氏:STAFF STARTはアパレル業界に限らず幅広い業界で豊富な実績があるので、コスメ業界でも売上やCVRアップなどの効果につながるのではないかと期待しています。従来のECサイトでは、各ブランド様から提供いただく画像や商品情報などの素材が限られているケースも少なくありませんでした。そのため、色味やテクスチャーなどの情報が不足している場合、どうしても店舗に行かなければならないケースが発生してしまいます。STAFF STARTを活用することで、店頭と同じように接客や化粧品のプロ目線による詳しい商品解説ができるようになったのは大きいですね。

市川氏:コロナ禍以前から、お客様には便利なお買い物体験をしていただきたいと思ってきました。当時はZoomを活用してお客様とつながったり、チャットをしたりと、色々なデジタルツールを組み合わせてオンライン接客を行っていました。また2019年からは年に一度、限定のコスメ祭り「@cosme BEAUTY DAY」をオンラインで開催するなど、オンラインイベントの企画にも取り組んでいます。

STAFF STARTはこれまで私たちが使っていたさまざまなツールがオールインワンになっている、とても便利な仕組みです。店頭やそこで働くスタッフの持つ高い力をオンラインでも活かすことで、お買い物体験をより楽しいものにできるのではないかと思っています。

―導入後の効果はいかがでしょうか。

市川氏:STAFF STARTを導入して半年ですが、初月から好調でした。アイスタイルはオンライン・オフラインでさまざまな事業を展開しています。その中で重要視しているのは、たとえオンラインであってもしっかり「人の手を介して」商品を届けること。STAFF STARTを利用することで、オンラインでも店舗スタッフの力によってお客様のお買い物の選択肢を増やすことができるので、今後はより活用の方法や幅を広げていきたいです。

導入からまだ半年なので、明確な数字というのはこれから出てくる段階ですが、STAFF STARTのコンテンツが紐付いている商品は、紐づいていない商品と比べてCVRが高いことが分かってきました。@cosme SHOPPINGは、2000以上のブランド、4万4000点以上の商品を扱っています。商品点数が非常に多いため、すべての商品にすぐに紐づけることが物理的に難しく、紐づける商品を戦略的に選びながら、効果につなげていきたいと考えています。

―STAFF STARTはスタッフ個人の数字が可視化されることも大きな特徴の1つです。効果が可視化されることで新たな発見はありましたか?

市川氏:ECサイトに関してお話しすると、以前までは何を訴求して、どんなコンテンツを掲載すればヒットするか細かく検証ができていませんでした。STAFF STARTを導入後は、管理画面上でコンテンツごとの効果が数値で確認できるため、売れる・売れないコンテンツが把握できるようになりました。行った施策の振り返りができるので、より効果的な訴求や見せ方を戦略的に仕掛けられるようになっています。

フォロー体制を整えながら、より専門知識が豊富なメンバーからノウハウを収集&蓄積

―現在は何名のスタッフさんがSTAFF STARTを活用されているのでしょうか。

小池氏:最初は20名からスタートし、現在は全国で約60名の店舗スタッフが活用しています。まずは資生堂の資格を取得しているメイクアップのプロが投稿を始め、次に店長たちが参加するといった流れで、少しずつ拡大してきました。普段店頭で接客をしているスタッフの誰もが、文章や写真を使ってうまくオンライン接客ができるとは限りません。だからこそ今後も、オンライン投稿に不慣れなスタッフを社内がきちんとサポートできる体制を整えながら、徐々に利用スタッフを増員していく予定です。

―ノウハウを溜めながら、社内全体でオンライン接客の体制づくりを進めていらっしゃるのですね。どれくらいの頻度で投稿されているのでしょうか。

小池氏:普段は店頭の接客に専念してもらいたいという思いもあり、「週1回は投稿しましょう」と声をかけています。基本的にはスタッフのペースに任せていますが、発信が得意なメンバーは週2〜3回ほど投稿しています。イメージ写真用に使う装飾などの撮影機材は、必要に応じて支給しています。投稿で紹介する商品は、@cosme SHOPPINGの取扱商品であれば、一部を除く全ブランドの中から自由に選ぶことができます。スタッフが私生活で日々愛用しているアイテムなど、オンラインでも接客しやすい商品が多いです。本部からは「この商品の閲覧率が高いので、STAFF STARTから投稿してオンライン接客をすると注目度が高いですよ」といった情報提供をしています。

―投稿が得意なスタッフさんにはどんな特徴がありますか?

小池:日頃からSNSを使っているスタッフは、写真の撮り方、コンテンツ作成や表現力に長けていますね。スタッフが一つ一つの商品に対してオススメポイントを手書きした店頭POPを作成する際に、よくキャッチコピーを考えたり、文字の強弱で目立つように工夫しているのでその作り方に近いのかもしれません。

―投稿のルールやマニュアルは設けているのでしょうか。

小池:マニュアルは作っていませんが、簡単なトンマナルールやこれまでのコンテンツ作成などで蓄積してきたノウハウがあるので、それらを共有しています。また、月1回オンラインで投稿内容の振り返り会を実施。本社発信の振り返り会実施後のフォローは、スタッフエキスパート(SE)と呼ばれる接客のスペシャリスト集団が行っています。

メンバー構成は本社と店舗が半々ずつ。SEは全国の店舗に入店して、「どのポイントに気をつけて投稿したら売上につながるのか」といったアドバイスやフィードバックを行っています。他にも、本社がチャットでサポートを行うなどフォローできる体制が整っています。

さらにスタッフが作ってくれたコンテンツを定期的に@cosme上でまとめ記事にしたり、SNSで積極的にシェアしたりすることで、スタッフの取り組みを広く伝えるようにしています。

化粧品ならではの多彩なカラーバリエーションを伝える画像が、店頭の接客ツールとしてもお役立ち

―店頭では商品を手にとることでテクスチャーをリアルに体感できますが、投稿ではどのように表現されていらっしゃいますか。

小池:投稿するときに作成する文言は、店舗スタッフが店頭で接客時にお話している内容を、そのまま文字に起こしているようなイメージです。アイテムの使用感から使い方、発色の特徴、仕上がりに合わせた提案などをテキストにして、ブランドごとの傾向もお伝えしています。また、投稿するスタッフのプロフィールには、肌質や肌色の特徴、一重・二重などの顔の特徴も掲載しているので、お客様はご自身の肌や顔の系統に近いスタッフの情報を参考にできるのではないでしょうか。

写真の撮り方には細心の注意を払っています。スタッフは表現の仕方にもこだわりを持っているので、光の当たり方やラメの輝き具合、そして色味を本物に近づけるために何度も撮り直すこともあります。

―オンラインでも商品情報が伝わるように、文章や写真で様々な工夫をされているのですね。今まで反響の大きかった投稿を教えてください。

小池:手の甲でカラーバリエーションをお伝えした「全色スウォッチ(色見本)」の投稿です。カラーマスカラやアイライナー、口紅など複数色を展開するアイテムは、店頭でも全色をお試しされる機会ってなかなか無いですよね。「全色スウォッチ(色見本)」を活用して発色の違いや線の太さなどを表現することで、お客様にはオンラインならではの接客を楽しんでいただくことができます。

小池:カラーの違いを見せた投稿画像を、店頭の接客で活用しているスタッフもいるんです。スタッフが趣向を凝らして作った販促コンテンツですから、商品情報をより広く伝えるために店頭でも利用できれば一石二鳥ですよね。今後は、オンライン投稿をもっと接客ツールとして活かすことができれば面白いだろうと考えています。

―STAFF STARTの導入は、スタッフさんのモチベーションにも影響しているでしょうか。

小池:とても良い影響を与えています。スタッフにアンケートをとったところ「頑張りが数字として可視化されるのが面白い」という声が多数上がりました。実績の「見える化」や評価がいかに大切かを実感しています。これから、オンラインの売上に応じて評価ができるように取り組んでいく予定です。

―最後に、今後の展望をお聞かせください。

小池氏:現在は商品紹介ページにSTAFF STARTのコンテンツを配置していますが、今後は他の場面でも積極的に使っていきたいと考えています。お客様がスタッフの投稿を見たいときにすぐに見られる導線を作るなど、キャンペーン的に取り入れることで、お買い物体験の価値をさらに高めていきたいです。

小池亜子氏
株式会社アイスタイル MD企画部 マネージャー
@cosme SHOPPING、ECMDを約7年を経験し、@cosme STORE及び@cosme TOKYOを運用する店舗MDに異動。スキンケアカテゴリを中心にMD・販促企画立案・実行・分析、ネットとリアルを繋ぐ企画立案に加え、業務プロセスの設計・改善などを行う。

市川梨沙氏
株式会社アイスタイル マーケティング部サービス開発 マネージャー
2016年新卒でアイスタイルに入社。モール店舗の運営を1年間したのち、@cosme SHOPPING(自社EC)のサイト設計やUI,UX改善業務を担当。店舗でもECでもシームレスにお買い物していただけるようなサービス設計が出来るよう日々奮闘中。

株式会社アイスタイル

美容系総合ポータルサイト@cosmeの企画・運営

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