STAFF START
ケース February 17, 2023

店舗クリエーターの“個”をデジタルに放つ!JINSのSTAFF START活用術

株式会社ジンズ 髙橋 啓介さん、道本 葉菜さん
アイウエアブランド「JINS」を全国に展開する株式会社ジンズ。軽量メガネ「Airframe」や、ブルーライトカットメガネ「JINS SCREEN」など従来の常識を覆すプロダクト開発とバーチャル試着やAIによる似合い度判定といった積極的なデジタル活用により、新たな市場を切り拓いてきました。それだけでなく、社内ではサービスや接客の最前線を担う店舗スタッフを“店舗クリエーター”と呼び、「JINSマイスター」という独自の認定制度の下で育成を行っています。そんな、あらゆる面で先進的な取り組みを続けてきた同社が2022年8月導入したのがSTAFF STARTです。同社はSTAFF STARTにどのような狙いや役割を期待して導入を決めたのでしょうか。同社営業本部 DC営業部の髙橋 啓介氏と、営業本部 DC営業部 EC推進グループの道本 葉菜氏のお二人に話しをうかがいました。

1.STAFF START のCVRは2倍!5人に1人がSTAFF STARTを見て購入

― デジタル推進を積極的に行ってきた御社が、STAFF STARTに興味を持ってくださったきっかけはなんですか。導入の背景を教えてください。


髙橋氏:私たちは近年、デジタル推進を活発化させていますが、一方で「JINS」には全国に469店舗のリアルの基盤があります(2023年1月末時点)。リアルの基盤とデジタルの相乗効果をより高めたいと考えた時に、注目したのが店舗クリエーターの存在です。店舗には約4,000名の従業員が働いていますから、日々、お客様と向き合い培った視点や知識をデジタル上でも表現してもらいたいと考えたのです。

これまでもバーチャル試着やAIによる似合い度判定などデジタルの活用はしてきましたが、店舗クリエーターがお客様にアプローチするのはほぼ店舗に限られていました。しかし、昨今のお客様の情報入手経路や購買動機を踏まえれば、リアルの接点だけで十分といえません。それに店舗の中だけにスタッフの力をとどめておくのはもったいないことです。

店舗クリエーターがデジタルでもお客様にアプローチできる“入り口”や環境を用意することが、今回のSTAFF START導入の背景でした。

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― 様々なツールがあるなか、STAFF STARTを選んだ決め手は何でしたか。


髙橋氏:店舗クリエーターの頑張りや成果を可視化できる点です。自分の投稿から商品が売れるとアプリのプッシュ通知が届くなど、店舗クリエーター達が取り組みの手応えを感じられる仕組みが魅力だと感じました。また、店舗クリエーターごとの投稿数、投稿のCV、PVといった数値を可視化し、投稿から評価まで一気通貫したツールである点も導入の決め手になりました。

― STAFF STARTを2022年8月に導入し、半年程度が経ちました。成果の状況はいかがでしょうか。

髙橋氏:STAFF STARTを経由した売上が順調に伸びています。2022年年末に、ハッシュタグ検索の機能を追加実装したことで、投稿PV数がかなり伸びてきました。CVRについてもSTAFF STARTを経由した方が経由していない方に比べて1.5~2倍程度高い傾向があります。

2. STAFF STARTの投稿で成果を出す3つのポイントとは?

― 先ほど、人材の力を店舗だけでなくデジタルに引き出すというお話がありましたが、ユニークだと思ったのが、御社では、店舗スタッフを“店舗クリエーター”と呼称しているところです。その理由や、“店舗クリエーター”はお客様に対してどのような役割を担っているのか教えてください。


道本氏:もともとは、当社でも“店舗スタッフ”と呼んでいたのですが、従業員ひとりひとりが、創意工夫しながら新しい未来を創っていける会社にしたいとの想いから、店舗スタッフを“店舗クリエーター”と呼ぶようになりました。“店舗クリエーター”は、お客様満足だけではなく、いかにお客様にとってかけがえのない体験を創造できるかを重視し、日々、どのような価値提案をすればお客様が喜んで下さるか、創意工夫して接客に取り組んでいます。STAFF STARTによるスナップ投稿の取り組みに関しても、日々、お客様と向き合う姿勢が反映されているなと感じています。

― STAFF STARTの投稿で、成果をあげている店舗クリエーターに共通する傾向は何かありますか?

道本氏:投稿数と比例する、がまずひとつ。高実績の店舗クリエーターは、月あたり30回ほどの投稿と投稿頻度が高く、PV数も高い傾向があります。また、成果を出す上では、「タイミング」や「クリエイティブ」も大事なポイントです。EC上のキャンペーンや施策の「タイミング」にあわせて、投稿する商品を選び提案する店舗クリエーターは成果が出ています。ファッションのような全身投稿と違い、メガネの細部やこだわりをしっかりと伝わるように画像を撮れているか「クリエイティブ」も重要です。メガネはフレームとレンズを組み合わせて選ぶ商品なので、フレームにあわせたレンズの紹介などきめ細やかな提案ができている店舗クリエーターの投稿は人気がありますね。

投稿の実践で得たナレッジは、社内でも共有しています。実際にSTAFF STARTで活躍している店舗クリエーターに社内報に登場してもらい、投稿のこだわりや、撮影の仕方など紹介してもらうコーナーを設けています。

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3. 導入準備、投稿ガイドラインや参画メンバーの決め方・進め方

― STAFF STARTの導入にあたり、社内ではどのように準備を進めましたか。


髙橋氏:店舗クリエーターの働き方をよく知る営業部門の責任者に対して、サービス概要のオリエンテーションやインプットをした後、店舗営業責任者と二人三脚で実務面のすり合わせを行っていきました。順調にスタートできたのは、熱量の高い責任者を巻き込めたことが大きかったです。これまで経験したことのない取り組みの中でも、ある程度の人数が最初から積極的に参加してくれたのは、彼らのおかげです。


― STAFF START導入時の課題や、意識したのはどんなことですか。


道本氏:課題というほどではないですが、投稿ガイドラインの策定は社内で協議しました。その商品のどこに魅力を感じて、どう発信するかは個人の意思を尊重し、投稿を通じて店舗クリエーターの個性を発揮してもらいたい一方、ブランドイメージとどう両立を図るかといった調整も必要で、ブランド部門や店舗営業支援部門と連携しながらガイドラインを固めていきました。

ガイドラインでは、ECサイトのトーン&マナーを踏襲して、縦横比4:3の画像への統一をルール化。一方、テキストは、販売前の情報は発信しないという以外には決まりは作らず、個性を発揮できるようにしました。今後、さらに投稿の質を上げていくための取り組みを検討中です。

― STAFF STARTに参加するメンバーはどうやって決めましたか。


道本氏:社内公募制にしました。STAFF STARTの導入にあたっては、熱意ある店舗クリエーターが“個”で活躍できる場所を創るという目的もあり、店舗クリエーター個人の自由意志や熱意を尊重する形で進めました。あらかじめストアディレクターやエリアディレクターに説明を行い、取り組みの合意を得たうえで、店舗クリエーターが参加するかどうかは本人の意思に委ねました。現在、230名ほどがSTAFF STARTの投稿に取り組んでいて、今後400名程度にまでメンバーを増やしていければと考えています。

― STAFF STARTの取り組みをはじめて、店舗クリエーターの方のモチベーションに変化はありましたか。


道本氏:モチベーションは上がっていると思います。本部側ではSTAFF STARTの参画店舗クリエーターにスポットライトを当てる取り組みとして、SNSや店頭POPなどにSTAFF STARTの投稿を活用しています。先日行った第2回目の公募では、「店頭POPになりたいです!」と手を挙げてくれるなど、意欲的な参加理由を持つ店舗クリエーターがたくさん出てきています。SNSや店頭POPなどの取り組みは店舗クリエーターが参加する動機付けになっているのだと感じます。

 STAFF STARTの取り組みは、店頭の接客にもプラスの効果が出ています。これは店舗営業支援部門の担当者から聞いた話ですが、投稿するにあたって、商品と向き合い文章にするなかで商品訴求の新たな魅力に気づいて、それを接客にも生かす取り組みが生まれています。

― なるほど。売上貢献に応じた評価や報酬などの制度は設けていますか。

道本氏:成果に応じてインセンティブを支給しています。評価報酬についてはSTAFF STARTの仕組み機能を活用し、制度設計を行っています。

4. SNSとも連動!店舗クリエーターの“個”を放つ、注目の取り組みとは?

― 店舗クリエーターの方が登場するJINS公式Instagramのリール投稿の中には、累計視聴回数3.2万人(2023年2月時点)を超える大きな反響があるものも出てきています。STAFF START をSNSで展開しようと考えたきっかけや背景を教えてください。


髙橋氏:私たちが当初想定していた以上の素晴らしい投稿が数多くありましたので、それならばということでSNSや店頭のPOPなどでの展開がスタートしました。冒頭申し上げたシームレス化にもつながりますが、デジタル上で“顔の見える”従業員がいるお店には、お客様の足の運びやすさも変わります。

実際の Instagram リールをチェックする

そのため、SNSだけでなく、メールマガジンやアプリなどのデジタル接点でもSTAFF STARTを活用して、店舗クリエーターを紹介する取り組みを進めているところです。目線を広げて、店舗クリエーターとお客様の接点を作ろうと考えています。

道本氏:Instagramはストーリーズ投稿が中心ですが、メルマガではより多くの店舗クリエーターの投稿を紹介して購買促進に活用していたりもします。

髙橋氏:スタッフの投稿はモデルを起用したクリエイティブに比べて等身大で親近感を持ってもらえますし、メルマガで紹介した投稿を、ECサイト訪問や購買のきっかけとなるよう、活用しています。

― 最後にSTAFF STARTの活用について今後の展望をお聞かせください。


髙橋氏:今のところ、全国約4,000名ほどいる店舗クリエーターのうち、STAFF STARTに参加しているメンバーは230名ほどなので、規模を大きくしたいと考えています。しかし、それは強制によってでは意味がなく、自主的に取り組みたいと思う店舗クリエーターを増やしたいと思っています。それが結果的にお客様にいい情報をお届けすることにつながると考えているからです。
店舗クリエーターが取り組みたいと思える基盤や環境を整えることが我々の役目です。先ほど申し上げたハッシュタグ検索のような機能面の拡充や、メンバーにスポットライトの当たる取り組みも含めて環境の整備充実に継続的に取り組みたいと思っています。その一例で申し上げれば、STAFF STARTと連動した、店舗クリエーター個人のInstagramアカウントの開設も準備を進めているところです。
こうした一連の取り組みを知り、JINSで働いてみたいと思ってくれる人が増えたり、店舗クリエーターの新たなキャリアパスの開発につながったりと、お客様にとってだけでなく、会社やJINSで働いている個人にも相乗効果をもたらす取り組みにしたいです。

株式会社ジンズ
営業本部 DC営業部 シニアディレクター
髙橋 啓介氏

2021年株式会社ジンズに入社。JINS国内EC事業を管轄。JINSのデジタルコマース領域をメインに担当しSTAFFSTARTの導入を牽引。


株式会社ジンズ
営業本部 DC営業部 EC推進グループ
道本 葉菜氏

2015年、株式会社ジンズに入社。店舗勤務に従事した後、本部に異動し約5年間、JINS国内EC業務に携わる。サイト管理/運用、UIUX設計、WEBマーケティングを担当。

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