STAFF START
ケース June 3, 2021

【後半】パル、STAFF START導入後にEC売上700% UP!フォロワー500万人のスタッフたちが主役のEC施策とは?

株式会社パル 執行役員 堀田 覚 さん
前半に続き、インタビュー後半では、スタッフ個々の力を磨く秘訣やデジタル接客で成功するためのポイントについて、株式会社パル 執行役員の堀田 覚氏に語っていただきました。

スタッフの個性を活かしたECサイトづくりに必要なこととは?

―堀田さんは、なぜスタッフの力や個性を重要視されているのでしょうか。

本社がやれることって、スタッフにSTAFF STARTのようなツールを提供して、教育などで少し背中を押す程度なんです。それぞれが花を咲かせられるかどうかは、本人のアイデア次第。しかも最近は動画接客の時代になってきましたよね。僕たちもSTAFF STARTのまとめ機能を使って「スタッフブログ」の中に動画をアップしているので、スタッフには説明を書くよりも動画を上げてほしいと伝えています。

ユーチューバーがYouTubeの型を作ったように、コーディネート投稿の動画にもふさわしい型があるはずなんです。だから僕たちがヒントを投げたり、良い事例や価値パターンを伝えたりするなかで、本人たちが正解をどう編み出してアレンジし、自分のものにしていくか。Instagramなら、今は短尺動画が投稿できるリールの活用が主流になっています。SNSを活用する感度の高さが大事なので、気づいたらどんどんトライしてほしいと思っています。

「きっと見つかる、マイカジュアル」をコンセプトにパルクローゼットのスタッフのトレンドや気分を発信する「lotti(ロッティ)」。スタッフの露出を増やすことで、ECへの導線を拡充しているそう。

―誰かに言われてではなく、自分たちで新しい時代を作り出していくんですね。

今って次のフロンティアがあるとするなら、YouTubeかTikTokですよね。見ている人数が多いこの2つを、今どう活用できるのかを考えています。やっぱりデジタルのメリットって、良いものが見つかった時に広く拡散される可能性があるところなんです。ちゃんと人々の目に触れられるようになるし、ちゃんと支持される可能性がある。

個人だけでSNSを続けるよりも、STAFF STARTを通じてECサイトで「この子のコーディネートって可愛いな」と感じたお客様が、興味を持ったスタッフのページに飛んで、Instagramのアカウントを見つけたからフォローする、という導線だってあるわけです。すると、今まで見られたことのない数のお客様に個人アカウントを見られる可能性もあり得ます。

ECサイトと個人のSNSを行ったり来たりできる導線が作れるようになったのは、STAFF STARTのおかげです。露出が増えた分フォロワーが増えて、スタッフの自信もついてきて、今となってはスタッフの総フォロワー数は500万人。お客様という名のファンがたくさん付くようになってくれました。

お客様が簡単に真似できるコーディネートをいかに提案できるか

―STAFF START「まとめ」の書き方や仕組みも工夫されていますよね。

以前、ECサイトとは別でブログを持っていた時は、店舗の情報が多すぎたのが懸念点のひとつでした。もちろんそれも大事ですが、ECサイトに来たお客様が本当に読んで役立つブログに内容を変更していきたかったんです。STAFF STARTを導入して「まとめ」機能を活用することで特集記事のようなブログが書けるようになりましたし、店舗のお客様がブログを見に来たら、知らない間にECサイトに引き込まれているという構図が作れるようになりました。

コンテンツがより充実したことによって、お客様のためにもなっていますよね。さらに新着順にのせていた情報も、売上順に変えたんです。売れているものが先頭に来れば、中身がもっと濃くなるだろうと。そして順番を変えたことで、お客様の行動まで変容するのではないかと考えたんです。

まとめ機能を利用した「スタッフブログ」では、着用感やサイズなどお客様が知りたい情報に特化

というのも、売れるブログって色々なパターンがあるのですが、どれもECのお客様が知りたいことがちゃんと語られています。しかもECサイトに来た人が困るだろう順、気になるだろう順に書かれていることが多いんです。たとえば、商品情報で深堀りするほどではないけれど、お客様が知りたいだろう情報を伝えたい時。ちょっとした「あると役立つ情報」をブログの中で発信できれば良いですね。そんな上手いブログの書き方を、今後はスタッフに教育していきたいと考えています。

―今、どんどんオンライン化していますが、その先にはどんな未来があると思いますか?

リアルにはリアルにしかない良さがあります。売上額の高いスタッフに売れる理由を聞いたら「お客様がお店に入ってきた時に、ある程度の好みが分かります」と話していました。お客様の雰囲気、髪型、表情、姿勢、ちょっとした所作…。そういう見た目でアタリが付けられるのだそうです。しかも好みだけでなく、そのお客様のワードローブや、今日はいくらまでお金を払いそうかということまで分かるのだとか。リアル店舗ならではの膨大な情報量があるからですよね。店舗には、すでに何千〜何万回という接客の経験値が積み重なっているんです。

その一方でZoomの映像だけだと、なかなかそこまでは掴みきれないかもしれません。オンライン接客ではまだそれほどノウハウが溜まっていないから、相手が心地よく感じられる間とか、おすすめする時のやり方などが、まだ若干固まっていないフェーズだと思います。本当に快適な体験を提供できるようなインターフェースもできていないですし、こちらのスキルや経験もまだ乏しい状態です。ただ、デジタルもどんどん進化していますよね。使用するメディアやツールによって違うとは思いますが、実際にお会いして接客する時と同じように、画面を通して見た時に何が一番良いのかを想像するのがスタッフの仕事ではないでしょうか。

お客様に支持されているコーディネート投稿やスタッフって、めちゃくちゃ奇抜なことはやらないんです。お客様は簡単に真似ができるコーディネートや、参考になる着こなしが見たい。そのご要望に落ち着けられることが大切です。「お客様が求めているのはこの辺だろうな」という感覚と、自分の好きなことを合わせていく。それができれば売上につながるでしょう。

次々と新たなデジタルツールが出てくる中で、スタッフがそれらを使いこなすスキルはこれからもどんどん必要になってきますし、お客様もさまざまな場所でブランドを見つけてECサイトにやってきます。これからはもっと幅広いツールの使い方に対応していく時代になるでしょう。仕組みはさらに洗練されていきますから、どんどんチャレンジしていったら良いと思います。スタッフが時代やツールに臨機応変に合わせられるようになるのが、真の接客なのではないでしょうか。

実店舗で売れるスタッフは、デジタル接客でも売れる

―オンライン接客で蓄積されたデータは、店舗の接客でも役立てたほうが良いのでしょうか。

たしかにデータがあるに越したことはないけれど、雑多なデータよりも、本当に売れるスタッフにとっては入店した瞬間にお客様のことを理解して、絶妙な間で商品を提案しています。そのほうが信頼してもらえますよね。お客様が来店されたのに「ちょっとお客様のリストと閲覧履歴を見ます」なんて言われて待たされるよりも、ずっと嬉しいのではないでしょうか。

そもそも、洋服を買う側は「絶対にこれじゃなければいけないもの」を買っているわけではないんです。もちろん本人は「これだったら私に似合いそう!」と、思い込んではいますよ。でも、冷静に考えたら、別に他のものでも良かったかもしれない。買い物体験って、ほとんどがそういうケースだと思っていて。そもそも目の前に無ければ買わなかったでしょうし。

同じ商品でも、どのようにお客様の目に留めることができるのか。「この商品を買う必然性が私にある」と感じさせることができるか。これが、売れる販売スタッフの特徴だと思います。店頭だけでなくデジタル上でも同じで、私に必要な商品だと思っていただけるように、いかに表現できるかではないでしょうか。

お客様は「好き」か「嫌い」という感覚はあるんです。でも、この商品が本当に自分にとって必要かどうかはいまいちわからないことが多い。そこで、スタッフがやるべき仕事は、お客様が好きだと感じた商品を「似合う」「必要だ」というところまで、きちんと落とし込んであげることです。そのスキルって、本質的には店頭でもオンラインでも変わりません。コーディネート投稿をしようが、ブログを書こうが、動画で接客しようが同じなんです。

商品情報をもとにお客様を想像して、お客様に合わせた提案ができるのが、本来の接客スキルであるはず。だから、今後またデジタルからリアルにお客様が戻ってきても、売れるスタッフは売れるし、売れないスタッフは売れないでしょう。お客様が気持ちよく「この商品は私に必要だな」って思って買ってくれるように、スキルをいかに磨いていくか、そんな買い物の本質に尽きる話だと思います。

だから、STAFF STARTで人気のスタッフ全員が、「可愛い」「カッコいい」といったビジュアルを売りにしているわけではないですよね。彼らはSTAFF STARTでも売れるけれど、基本的には店舗でも売れる人たちなんだと思っています。

データを自分なりに分析すると、お客様の気持ちや行動が見えてくる

―オンライン接客で得られるデータは今度どう活用していったら良いでしょうか。

実際にお会いすると、見た目や所作、声のトーン、印象を含めて五感で感じられるから、スタッフが接客する上での情報量がとても多いですし、お客様にとっても商品を実際に触れられるからたくさんの情報を得ることができます。その一方で、オンライン接客で売れる人やフォロワーの多い人の特徴は、すごくデータを見ているんです。

なぜこのページはたくさんの人に見られたのか、なぜこの投稿はいいねされて、この投稿はいいねされなかったのか、なぜフォローされたのか、なぜSTAFF STARTをお気に入りに登録してくれたのか…。一つひとつのデータを分析して、お客様の行動の理由を求めているんです。そこからお客様を想像していく。「たぶん、こういうことが理由なんじゃないか?」と仮説を立ててやってみる。こうしてトライ&エラーを重ねるうちに、何が良くて何が悪いかという判断の精度が上げられます。それができるスタッフのSTAFF STARTやフォロワー数は伸びるはずです。

ECサイトでも、店舗のように目の前でお客様の動きをよめる情報はないけれど、数字を見ながら「お客様はどういう気持ちで見たんだろう」と、想像できると思います。それもお客様に対する想像力ですよね。これができなれば、いくらテクノロジーを進化させてデータを可視化しても意味がないと思います。スタッフのみなさんにとってはデータが多いか少ないかよりも、限られたデータの中からお客様を想像する人間力を磨いていくことに、価値があるのではないでしょうか。

堀田 覚氏
株式会社パル 執行役員 プロモーション推進部 部長 兼 コミュニケーションデザイン室 室長 兼 WEB事業推進室 室長

新卒でアパレル企業で店舗運営、MD、ブランド責任者等を歴任した後、雑誌社のメディアコマースサイトの立ち上げに参画しMDとマーケティングの責任者を行う。2014年よりパルに入社し、PR、EC、オムニチャネル、CRM等コミュニケーションとデジタル部門の統括を行う。

株式会社パル

婦人服・紳士服・雑貨等の企画・製造及び卸し・小売

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