STAFF START
セミナーレポート March 15, 2023

【セミナーレポート】ゴールドウインに学ぶ、成果を出すSTAFF START活用のコツ

「コーディネート投稿がなかなか増えない」、「投稿の質にバラつきがある」、「オンライン接客でもっと成果を出したい」。そうした悩みや疑問を抱えるEC担当者は多いでしょう。成果を出している企業は、どんな取り組みをしているのか。今回は「THE NORTH FACE」や「HELLY HANSEN」など数多くのブランドを展開する株式会社ゴールドウインのEC販売部 CRMグループ綾織 宏氏をゲストに迎え、STAFF START運用のコツに迫りました。

1. ゴールドウインの実践に学ぶ、STAFF START活用戦略

バニッシュ・スタンダード/尾田 謙真(以下、尾田):皆さん、こんにちは。本日はお忙しいなか、ウェビナーにご参加いただきありがとうございます。このウェビナーは、STAFF STARTを導入し成果を上げている企業をゲストに迎え、オンライン接客やSTAFF START運用の実践的なノウハウをお伝えしていこうという企画です。第1回目は、株式会社ゴールドウインの綾織さんをゲストにお越しいただきました。それでは綾織さん、よろしくお願いします。

株式会社ゴールドウイン/綾織 宏氏(以下、綾織氏):株式会社ゴールドウインの綾織と申します。ブランドを横断したデジタル販促の推進を掲げ、直営店舗のイベントやブログ、SNSのマネジメントのほか、STAFF START、ライブコマースなどの運営を担当しています。本日はどうぞよろしくお願いします。

不安なく活動を楽しんでもらうための情報提供をオンラインでも


綾織氏:株式会社ゴールドウインは、アウトドアやスポーツアイテムを扱う会社です。「THE NORTH FACE」をはじめ幅広いブランドを店舗やオフィシャルストアで展開しています。

当社は、通常のアパレルだけでなく海や山など、場合によっては危険が伴うような環境で用いるアイテムを取り扱っているという特徴があります。その背景から、お客様が安心してフィールドで活動をしていただけるように製品の機能性や使い方を正しく伝えることは私たちの大切な役割でありミッションとなっています。

そのミッションをオンラインでも実践するにあたり試行錯誤を繰り返してきましたが、以前は運用面において「①発信力のある店舗が多い一方で、作成したコンテンツを活用しきれていない」「②店舗が作成しているコンテンツとの連携ができず、実績が計測できていない」「③ECサイト上の情報が製品軸に偏っており、お客様の求める情報を提供できていない」といった課題がありました。

当社では、ウェブサイトをリニューアルした2020年6月よりSTAFF STARTを導入しているのですが、STAFF STARTは、店舗だけでなくオンラインでも製品の正しい情報お客様にお届けするというミッションにおいて、非常に重要な役割をになっていただいています。

STAFF STARTを運用するにあたって、当社は「コーディネート投稿機能」と「まとめ機能」の2つを活用しています。

コーディネート投稿では、高い接客知識を持つ店舗スタッフがアイテムに関する紹介テキストや、着用シーンやアイテムのディテールがわかる複数枚の画像を投稿しています。

それらのスタイリングはオフィシャルストア内のトップページやSTYLINGページ、商品ページに掲載して、お客様が色々なスタイルを参照できるよう工夫しています。

>> ゴールドウインのスタッフ投稿例はこちら

一方、まとめ機能は、商品軸だけではなく“コト”軸での提案を行っています。ひと月当たりの投稿数は20〜80ほど。当社には、アウトドアやスポーツが好きな従業員がたくさんいますので、イベント参加や自身のアウトドア体験・スポーツ体験などを共有してもらう形で最新トピックやリアルな情報を発信しています。こうしたコンテンツは、お客様に商品に対する関心のきっかけ作りや、関係性を構築するのに役立っています。

コンテンツ作成のためのアイテム提供はその時々でケースバイケースです。強化アイテムなどプロモーションの一環で本部側が用意することもありますが、いまのところ本人の私物を使っていることの方が多い状況です。本部側としては、スタッフが楽しみながら投稿してもらえるように、強制するのではなく自発性に任せる形を基本的なスタンスとしています。

SNSやアプリ運用と相性の良いSTAFF START


綾織氏:通常、STAFF STARTを運用する際は店舗スタッフごとにアカウントを開設するのが主流だと思いますが、当社の場合は店舗単位の運用を行っています。

アカウント数は合計120ほど。1か月のコーディネート投稿数は1000件ほどで推移しています。当社の場合、商品を検索して買い物するケースが多く、人気のアイテムがコーディネート投稿に関しても反響の大きい傾向があります。これら人気アイテムの投稿は、オンラインだけでなく店頭においても、お客様と店舗スタッフのコミュニケーションを生むきっかけとして大いに役立っています。

撮影は、2〜3人のチームで行い30分間で4スタイル分を撮ることを目標としています。テキストは、店頭でスタイリングを組む際に、撮りたい画像のイメージと並行して、ある程度書く内容を決めておき、投稿を作成するよう指導しています。まとめ機能のレポート作成に関しては、もう少し時間をかけて仕上げるイメージです。楽しみながら投稿できるように、個人のペースに任せています。

2年ほど運用して感じているのは、STAFF STARTは店舗スタッフの接客力をオンラインに引き出すことのできる仕組みだということです。今期の実績では、オフィシャルストアを利用したお客様の約半数がSTAFF STARTの投稿を経由して商品購入に至っています。店舗スタッフの提案はお客様の不安解消になり、しっかり心を掴んでいるのがわかります。また、ECやSNS、アプリ運用の効率化の観点からみても、工数をかけずに魅力的なコンテンツを作れるコーディネート投稿やまとめ機能はとても有益だと感じています。

尾田:ありがとうございます。ゴールドウインさんは、店舗スタッフの皆さんが楽しみながら、かつ質の高い投稿をできているお手本のような存在で大変勉強になりました。

2. ブランドを成功に導く、STAFF START運用の極意とは?

尾田:ここからはディスカッションを通じてSTAFF START運用の秘訣をさらに深堀りしていければと思います。

まず、お伺いしたいのが、店舗スタッフのモチベーションアップの方法です。STAFF STARTを運用するにあたり投稿数の担保が非常に重要になりますが、店舗スタッフさんに意欲的に投稿してもらうために、取り組んでいることをぜひ教えてください。

綾織氏:年に一度、貢献度の高い店舗を表彰する独自の制度を実施しています。貢献度は、クライミング競技の年間順位決定方式にヒントを得ながら、独自の指標で年間の実績を数値化し、順位を定めています。

各店舗の実績は取り扱いブランドの影響を強く受けるため、ブランドごとに係数を決め、その数値をかけて公平性を担保するように工夫しています。

また、表彰の対象は「STAFF STARTの運用担当者」ではなく「店舗に所属するスタッフ全員」としています。限られたリソースの中で、みんなの協力があって実現できている取り組みであるため、店舗全員が頑張りの恩恵を享受できるようにしています。報酬は、現金でなく製品の支給やプロモーションの声かけの優先順位を上げるといった形で行っています。

尾田:年単位でなく日常的にモチベーションを高める工夫もしているのですか?

綾織:プロモ―ション協力の依頼など本部側から店舗に声かけするような働きかけを積極的に行っています。

コンテンツの質を高める秘訣は、「型」の共有


尾田:次に投稿の質(クオリティ)を担保するための工夫や施策についても、ぜひ、伺えればと思います。

綾織氏:投稿の質を保つには、店舗スタッフにしっかりノウハウを共有することが必要だと考えています。当社の場合は、30ページほどの「サポートマニュアル」に加え、スマートフォンで実践できる撮影のテクニックやポイントをまとめた資料なども用意しています。

マニュアル作成は、外部の専門家の知見やこれまでのSNS運用の運用を活かしながら、当社らしい訴求ができるようにまとめました。担当者にすべてを任せるのではなく、コンテンツ制作の基本となる「型」を共有できたことによって、限られたリソースの中で質の高い投稿をできる体制を整えるのに寄与できたかなと思います。

また、マニュアル以外にも、フォローアップとしてシーズン毎に「撮影技術研修会」を実施し、ライティングや構図など物撮りや屋外撮影の方法を実際に学べる機会を用意しています。

尾田:綾織さんをはじめ本部側の努力があるからこそSTAFF STARTをスムーズに始められ、かつ、継続できる取り組みにできているのだと感じました。一方で、STAFF STARTの活用に関して、現在、課題となっていることがあればそれもぜひ伺いたいです。

綾織氏:担当者の異動や退職があると投稿が滞ったり、ノウハウが途切れてしまうといった課題があります。

運用体制は店舗ごとの状況によって異なりますが2~3名程度の担当制で、店舗側で決めています。効率化のために一定期間分の投稿をまとめて撮影することを推奨しており、あらかじめシフトや1日の勤務スケジュールに撮影時間を組み込んで運用しているケースが多いです。撮影時間を来店の少ない時間に設定したり、シフト体制を手厚くする工夫をしています。このように極力、店舗内で仕組み化し負担軽減やノウハウを共有できるようにしていますが、前任がいなくなったのをきっかけに投稿数が減ってしまうケースがどうしても出ている現状があります。

もうひとつ、コーディネート投稿の検索性にも課題を抱えています。当社のサイト特性も関係しているのかもしれませんが、スタイリング同士を比べるのが難しかったり、ある商品のスタイリングを見ようとする場合、商品ページを経由して閲覧する必要があります。ほかの会社さんも悩んでいる点だと思いますが、当社も同じ課題を抱えている状況です。

検索性を高める試みや、動画投稿という新たな挑戦へ


尾田:ありがとうございます。挙げてくださった課題に対して今、取り組んでいる施策があればぜひ最後に伺えればと思います。

綾織氏:サイトやアプリの訪問者の行動や感情をリアルタイムに解析し、一人ひとりに合わせた体験を提供する、株式会社プレイドのCXプラットフォーム「KARTE(カルテ)」と連動することで、ページ内の回遊性を高める工夫を始めました。

具体的には、ユーザーの興味感心に応じ、商品ページの右横にスタイリング画像をポップアップ表示する仕組みです。これまではコーディネート投稿を閲覧するまでに画面のスクロールが必要でしたが、ポップアップ表示させることでストレスなく、スタイリングをストレスなく閲覧できるようになり、PVが大幅に改善しています。

また追加機能として、データバンクやPLAY機能の導入などを検討しています。PLAY機能というのは、縦型動画機能のことですが、動画コンテンツに対するお客様のニーズは高まっていますし、静止画では伝わりきらない情報を動画で補完していければと思っています。

尾田:
コーディネート投稿機能やまとめ機能の活用から始まって、さらに動画による提案や、今、ある投稿を活かせるデータバンクの活用など、取り組みの幅を広げていこうとお考えなんですね。KARTEさんと連携の事例を紹介くださいましたが、STAFF STARTは外部のシステムと連携して活用できるオプションを多数ご用意していますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせいただければと思います。最後に、綾織さんから皆さんへのメッセージをお願いします。

綾織氏:当社はお客様が楽しみながら、しっかり納得して商品を購入できるサービスに力を入れています。これからもパートナーの皆様の協力を得ながらお客様に製品の情報を正しく伝える取り組みを推進していければと思っていますので、ご期待いただければと思います。本日はありがとうございました。

尾田:本日は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社ゴールドウイン EC販売部 CRMグループ
綾織 宏氏

インストラクター、インタープリターとしての活動を経て、2007年、店舗アルバイトとして株式会社ゴールドウインへ入社。翌年に社員となり、2012年より内勤でTHE NORTH FACE イクイップメント部門の企画・PRを担当。2015年から直営店舗のイベント・BLOG・SNSのマネジメントに従事。
現在は、STAFF START、ライブコマースの運営担当も兼任し、ブランドを横断したデジタル販促を推進。全国の販売員へ向けた研修・社内セミナーなども行っている。

株式会社バニッシュ・スタンダード BizGrowth Unit Customer Success
尾田 謙真

新卒で都内のITベンチャー企業に入社。 広告事業のアカウントセールスやSaaSのフィールドセールスなど一貫して法人営業に軸足をおきつつ、マネジメントや子会社の立ち上げ等も経験したのちに、バニッシュ・スタンダードに参画。
現在は主に、既存の導入顧客様向けにSTAFF STARTのお取り組みをより拡大するためのご提案を担当。自身も過去学生時代にはアパレルの販売員を長く経験したこともあり、小売業界の課題解決に少しでも力になるべく活動中。

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