STAFF START
セミナーレポート March 29, 2023

【セミナーレポート】STAFF STARTでEC売上アップ!トゥモローランドのブランド“らしさ”を追求したEC戦略とは?

コロナ禍を経てEC戦略やデジタルマーケティングには、短期的な売上だけでなくより本質的な顧客との関係性向上を目指した施策が求められています。その鍵を握るのが、ブランドの”顔”である店舗スタッフの活躍推進です。コーディネート投稿の先にどういったSTAFF STARTの活用方法があるのか。デジタルと店舗スタッフの力を掛け合わせ成果をあげている、トゥモローランド デジタルコミュニケーション部 部長の上田知弘氏と同WEB課の西井寛子氏にお話をうかがいました。

1. トゥモローランドがコロナ禍で始めたDXとは?

バニッシュ・スタンダード/尾田 謙真(以下、尾田):皆さん、こんにちは。導入企業様から直接、STAFF START活用のコツをお聞きする本ウェビナー企画に、今回はトゥモローランドの上田さんと西井さんにお越しいただきました。さっそく、お二人の自己紹介からお願いします。

株式会社トゥモローランド/上田 知弘氏(以下、上田氏): 2010年に新卒で入社し、店舗勤務の後、10年ほど本社でEC業務に携わり、2020年からデジタルコミュニケーション部 部長を務めています。本日は、よろしくお願いします。

株式会社トゥモローランド/西井寛子氏(以下、西井氏):2015年に新卒で入社し、店舗勤務を経て、現在はブランドの公式Instagram運用や、自社サイトのコンテンツ制作、STAFF STARTの運用・管理などを担当しています。

STAFF STARTの導入でCVR向上と返品率改善を実現


尾田: まずSTAFF START導入のきっかけや活用状況について教えてください。

上田氏:導入の大きなきっかけはコロナ禍です。来店客の減少や、店舗業務以外でのスタッフリソースの活用、スタッフのモチベーションの創出が大きな課題となる中、即座のEC売上拡大と店舗スタッフの活躍を見込めるツールとしてSTAFF STARTを導入しました。

運用を始めた当初はコーディネート投稿の利用が中心でしたが、ECサイトのリプレイスに伴い2023年2月から、まとめ機能とデータバンク機能(コーディネート投稿やまとめ機能に投稿したデータをレコメンドに活用できる)も取り入れています。

導入後の成果としては、「CVRの向上」と「返品率の低減」が挙げられます。具体的には、STAFF STARTのコーディネート投稿を経由したCVRは通常時の2倍に上昇し、自社ECの商品返品率はECモールと比較して4分の1に減少しています。従来、ECでは海外モデルの着用イメージを中心に掲載してきましたが、より等身大の店舗スタッフによる着こなしを伝えられるようになり、ブランディングと買い物のしやすさを両立できるようになりました。日を追うごとに、STAFF STARTを経由したEC売上が伸びており、その重要性はますます高まっています。

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部門ごとに向き合い方を工夫し、プロジェクトを推進


尾田:御社では、STAFF STARTを成果につなげられており、EC売上やスタッフのモチベーションアップを実現しています。社内でどんな風にプロジェクトを進めてきたのか、STAFF STARTの取り組みを定着させるために、工夫した点を教えてください。

西井氏:店舗スタッフには投稿のモチベーションアップを、店長やマネージャーには店舗運営におけるメリットの提示を念頭に、レイヤーごとに伝え方を変えながら、複数回勉強会を開催。店舗スタッフだけでなく店長やマネージャー層の巻き込みを図り一丸となってプロジェクトを推進することを意識しました。コロナ禍の真っただ中でのスタートというのもあって、店舗以外でも売上に貢献できるのならと自発的に手を挙げてくれたスタッフが多かったのも、スムーズに取り組みを進められた要因のひとつだと思います。

投稿参加者は、意欲があるのに参加できない状況を作らないために本部側で選ぶのではなく、手を挙げてくれたスタッフ全員がチャレンジできる設計としました。運営サイドだけでなく、取り組みの背景や今後の方針について、社長自らがコミットする姿勢を示してくれたことも、大きな後押しになったと思います。

導入後の投稿の促進に向けては、「トゥモローランド アワード」での表彰や、店舗スタッフのスキルアップを応援する「トゥモローランド カレッジ」の開催、店舗スタッフの自社サイトや公式Instagramへのモデル起用といった施策に取り組んでいます。

2. STAFF STARTの投稿を促進する施策の中身とは?

西井氏: 「トゥモローランド アワード」は、もともと人事/総務管轄で実施していたイベントで、STAFF START導入後、STAFF STARTの売上成績を新たに表彰項目に加え、個人と店舗それぞれ上位者を表彰しています。ちょうど今年度のアワードを2月に実施したのですが、その様子を見て、STAFF STARTへの新規登録者が増えたり、表彰を見た若手メンバーが奮起したりと、取り組みの動機付けにつながっていると感じます。

尾田:STAFF STARTの成績上位の方に共通する傾向や特徴はありますか?

西井氏:年齢や身長などの属性ではなく、自分に似合うファッションや自分のキャラクターをしっかり理解し、セルフプロデュースできる店舗スタッフが成果を挙げている印象です。
今回、成績トップで表彰された店舗スタッフは、コメントの重要性を指摘していました。コーディネート投稿はビジュアルに意識が向きがちですが、それだけでなく、いかにお客様視点での投稿ができるか。たとえば、紹介した洋服は手洗いできるのかどうかなど、かゆいところに手が届く提案ができているかどうかもポイントになると話してくれました。

店舗スタッフの中にはSTAFF STARTの投稿をきっかけに能力を見出され、ステップアップするケースも出ています。

上田氏:ただ、評価はSTAFF STARTに偏るのではなく、店舗とECの成果をまとめて判断する方針としています。当社の場合は、店舗売上のシェアも依然として高く、店舗とECの両方の実績を総合的に評価できる仕組みをこれから整えていく予定です。店舗スタッフには、自らの能力を発揮する手段が増えたと捉え、STAFF STARTを上手く使ってほしいと考えています。

尾田:「トゥモローランド カレッジ」についても詳しく教えてください。

西井氏:人材育成やキャリア形成、次世代リーダー輩出を目的にスタートしたプロジェクトです。このプロジェクトは人事部主導でカリキュラムなどが組まれているのですが、私達の部署では販売促進部門、「デジタル&ショッププロモーション」を担当しています。STAFF STARTで成果を上げている店舗スタッフを講師に招き、各エリアの代表者が月1ペースで集まり、具体的な投稿や振り返りの方法などナレッジの共有を行っています。

アフターコロナもスタッフのDX化は大きなテーマ


西井氏:最近は店舗に客足が戻りつつありますが、スタッフのインフルエンサー化は相変わらず、会社にとって大きな課題です。むしろコロナ禍をきっかけに、今後どんな不測の事態が起こるかわからない中での備えとして、店舗、EC問わず活躍できる力をつけなければと店舗スタッフの意識は高まっています。また、消費行動の面でもウェブ決済やウェブ接客は当たり前になり、店舗だけでなく買い物の選択肢が広がっており、その消費行動に対応していく必要もあります。こうした中で、店舗スタッフのインフルエンサー化の後押しは、店舗も含めた全社的な方針となっています。

店舗スタッフのインフルエンサー化は、物理的制約を超えて活躍できる可能性を秘めています。実際に、当社でも北海道に住むお客様が神戸店の店舗スタッフを指名して買い物して下さるケースも出ています。これは店舗スタッフにとっても大きなモチベーションになるはずです。

接客のデジタル化や店舗スタッフのインフルエンサー化を後押しする施策として、本部側では、インスタライブやECなどの店舗スタッフの露出強化があります。たとえば、本部が企画したインスタライブに店舗スタッフをアサインしたり、自社ECでは、月1回、店舗スタッフのおすすめスタイリングを紹介するコンテンツを発信しています。掲載されるとメルマガやSNSなどに波及し、個人のプレゼンスを高めるきっかけとして、店舗スタッフにとってもよい刺激になっているようです。

3. ブランド“らしさ”重視したEC戦略とSTAFF STARTの親和性

尾田:この先、STAFF STARTを活用してどんな施策に取り組む予定でしょうか。今後の展望をお聞かせください。

上田氏: 23年2月21日にECサイトとMAツールのリプレイスを行いましたが、実施にあたっては、トゥモローランドらしいECを強く意識しました。たとえば、当社は業態とブランドが必ずしも一致するわけでなく、トゥモローランドの売り場でBACCA(バッカ)やGALERIE VIE(ギャルリー ヴィー)の商品が置かれるケースもあります。当社の特色であるセレクトショップ的な要素を反映するため、ECサイトは “ブランド”ごとではなく、“業態”ごとにページを切り出す設計となっています。これが今回のリニューアルの大きな特徴のひとつです。

また、コーディネート投稿に関しては、お客様ニーズが高いこともあり身長や着用アイテム、業態別に絞り込み検索ができるようにしました。現在、細かく調整途中ですが、今後、店舗ごとでも検索できるようにする予定です。このほかに投稿のお気に入りができる機能も加えました。

リニューアルに際しては、「まとめ機能」の運用も新たに始めました。これまでも店舗で運用していたスタッフブログや本部側で運用してきた特集ページを「まとめ機能」を使って更新していく予定です。

「まとめ機能」は、HTMLが入力できるためリッチなコンテンツにも対応でき、さらにコーディネート投稿と同じように売上の効果計測までできるのが魅力です。従来、ECの特集コンテンツは外部に運用を一任していたのですが、より機動力の高い運用を実現するため見直しを行いました。ほかのCMSツールを導入する選択肢もありましたが、効果検証やMAツールとの連動をできる「まとめ機能」を採用し、運用するに至りました。

尾田:STAFF STARTのまとめ機能は、2022年にアップデートを行い、特集ページのようなリッチな表現ができるようになりました。ぜひ、興味のある方はお問合せいただければと思います。データバンクの活用についても、ご説明いただけますでしょうか。

上田氏:データバンク機能は、該当する商品のコーディネート投稿や特集コンテンツのキュレートができる機能で、MAツールと組み合わせて活用しています。現在実装しているシナリオでは、いわゆるかご落ち(カートに入れたけれど購入に至っていない)商品があった際、後日メールやLINE経由で商品の再提案に活用しています。取り組みをはじめたばかりですが、今後、かご落ちした商品だけでなく、様々なトリガーに対し、コーディネート投稿と紐づくシナリオを組んで活用していきたいと考えています。

店舗スタッフや接客のDX化という観点では、一人ひとり得意な表現方法が違うため、コンテンツの幅を拡充する意味でスタッフレビュー投稿も魅力的だと感じています。また、時代要請的には、短尺動画はこれから必須で、たとえば、静止画では伝わらない洋服のディテールを縦型動画で伝えるなどの取り組みは今後検討していきたいと考えています。

西井氏:まとめ機能は、必ずしも店舗スタッフの顔出しが必要でないため、間口を広げるきっかけにもなると感じます。
さっそく、入社したばかりの社員自らコーディネート機能やまとめ機能に取り組みたいと手が挙がるぐらいです。STAFF STARTはスタッフのキャリアを問わずやる気次第で前向きに働け、楽しく自己発信ができるツールだと感じています。これからも、ブランドの売上・認知拡大やスタッフの活躍を後押しするために、STAFF STARTを上手に活用していければと思います。

尾田:今後の取り組みがますます楽しみです。本日は、貴重なお話しをありがとうございました。

株式会社トゥモローランド
デジタルコミュニケーション部 部長
上田 知弘氏
2010年、株式会社トゥモローランドに入社。店舗勤務の後、本部に異動し約10年間、EC業務に携わる。デジタル関連部署の統合に伴い2020年より現職。

株式会社トゥモローランド
デジタルコミュニケーション部 WEB課
西井 寛子氏
2015年、株式会社トゥモローランドに入社。約4年間、京都エリアの店舗勤務に従事した後、本部に異動。デジタル関連部署の統合に伴い2020年より現職。公式サイトや、オフィシャルInstagram、ECサイト内、STAFF STYLINGページの管理・運用を担当。

株式会社バニッシュ・スタンダード
BizGrowth Unit Customer Success
尾田 謙真
新卒で都内のITベンチャー企業に入社。 広告事業のアカウントセールスやSaaSのフィールドセールスなど一貫して法人営業に軸足をおきつつ、マネジメントや子会社の立ち上げ等も経験したのちに、バニッシュ・スタンダードに参画。
現在は主に、既存の導入顧客様向けにSTAFF STARTのお取り組みをより拡大するためのご提案を担当。自身も過去学生時代にはアパレルの販売員を長く経験したこともあり、小売業界の課題解決に少しでも力になるべく活動中。

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