STAFF START
ケース December 9, 2020

【セミナーレポート】Yappli共催セミナー『TSIが考えるコミュニケーション戦略』

コロナ禍、デジタル化により、昨今アパレル業界を取り巻く環境は大きく変化しています。

実店舗には行かず、オンラインで商品購入ができる時代だからこそ、これからの販売員とお客様を繋ぐコミュニケーションはどのようなことを考えていけばいいのでしょうか。

今回は、株式会社ナノ・ユニバースの越智将平氏、株式会社TSI EC ストラテジーの岸武洋氏をゲストにお迎えし、STAFF START x Yappliで共催セミナーを開催した様子をお送りします。TSIが考える、こんな時代だからこそのコミュニケーション戦略についてお話を伺いました。

第一部:導入実績450社以上!お客様とのコミュニケーションをもっと深くする、アプリプラットフォーム「Yappli」

第一部では、株式会社ヤプリ マーケティング本部 和田理美氏より、お客様とのコミュニケーションをもっと深くする、アプリプラットフォーム「Yappli」について説明がありました。

TSIも活用中!「Yappli」のサービスとは?

「Yappli(ヤプリ)」は、ノーコード(プログラミング不要)でアプリ開発・運用・分析ができるクラウドサービスです。幅広いデザインのネイティブアプリをスピーディーに開発でき、ポイントカードやフォトフレーム、プッシュ通知など、アプリならではの豊富な機能があることが特徴です。

現在450社以上ものアプリ開発の実績を誇っており、今回ゲストにお越しいただいたTSIでも導入をされているそう。2014年12月のMIX.Tokyoアプリを皮切りに、数々のアプリをリリース。これまで22ものアプリを開発されているとお話いただきました。

店舗・ECで「Yappli」を使って課題を解決した事例

ECサイトや店舗を運営していて「会員証の発行を勧めても断られてしまう」「SNSやメルマガでは接点が足りない」など、お客様との繋がりに課題を感じる販売員も多いそうです。原因としては、ポイントカードで財布をパンパンにしたくなかったり、ブランドの魅力がどこに記載されているのか分からず、メルマガを深く読もうとしなかったりするお客様が多いことが考えられています。

そんな課題をアプリを使ってうまく解決した事例が、スポーツウエアやシューズを販売しているブランド「UNDER ARMOUR」なのだそうです。

UNDER ARMOURは、会員証をデジタル化し、トレーニング動画などさまざまなコンテンツをアプリに集約しています。新規の顧客をwebで集客し、より情報が欲しい、ブランドと繋がりたい、という深いファンを自社アプリに集めていると言います。SNSのアプリの場合だとさまざまなお客様と繋がれる反面、ご自身のお友達との情報と混雑してしまい、自社ブランドの情報を伝えにくいそうです。自社アプリを使うことで、より深くファンとコミュニケーションが取れる場になったとお話をいただきました。

顧客単価が145%増した「アプリ」を活用した施策

特にYappli 和田氏がUNDER ARMOURの施策で工夫されていると感じたのが、アプリの「オートプッシュ通知機能」の活用だそうです。

例えば、アプリをダウンロードしたら、ダウンロード特典クーポンがすぐに獲得でき、翌日にはUNDER ARMOURのブランド世界観が分かる情報がプッシュ通知で届くように。さらに、ダウンロードしてから3日後にはアプリのユーザー情報の登録を促進するプッシュ通知、5日後にはショップブログの案内が届くそうです。お客様を飽きさせず、ブランドに親しんでもらう工夫が満載だと言います。

このような施策の結果、ECサイトへの流入数がweb検索、SNSと比べて9倍に。アプリ経由でECサイトに訪れる人が増えたそうです。さらにメルマガと比較するとアプリでの購入回数が約120%増加、顧客単価に関しては約145%も増えるという結果に。アプリをうまく活用することで課題を解決し、深いファンも獲得できたとお話いただきました。

第二部:リアル店舗の販売員のデジタル接客を支援するサービス「STAFF START」

第二部では、小野里よりSTAFF STARTについて説明がありました。

STAFF STARTは、企業と販売員と顧客のエンゲージメント向上アプリケーションです。

さまざまなECサイトに出てくる、新着・人気コーディネートの情報を掲載するプラットフォームとなっています。STAFF STARTというアプリを販売員が個人のスマホにダウンロードして投稿することにより、自社のECサイトへ反映される仕組みです。

投稿したコーディネートを見てお客様が実際に商品を購入した場合、売り上げが管理画面から確認でき、誰がどのくらい商品を売ったのかなどの実績が可視化できます。STAFF STARTの導入によりデジタルでも接客ができると、店舗の立地関係なく勝負が可能になります。その結果、地方のスタッフが大きく売り上げを伸ばすなど、スタッフそれぞれがポテンシャル高く働けるようになったと話しました。

>「STAFF START」をもっと詳しく知りたい方はこちら

第三部:スペシャル対談「TSIが考えるコミュニケーション戦略とは」

第三部では、株式会社ヤプリ CCOの金子洋平氏と、ゲストのお2人をお迎えしスペシャル対談を実施。初めに岸氏より、TSI HOLDINGSについて説明をいただきました。

TSIが考える、これからの戦略とは?

岸氏:「TSI HOLDINGSは、株式会社東京スタイルと株式会社サンエー・インターナショナルが合併した総合アパレル会社です。『nano・universe』を筆頭に、『NATURAL BEAUTY BASIC』『JILL STUART』、ゴルフウエアブランド『PEARLY GATES』など、ブランドのポートフォリオが幅広いのが特徴です」

金子氏から「今回お話いただく戦略は、コロナ前から計画したものですか?」という問いに対して、越智氏は「店舗の優秀な販売員を活用して、店舗とECサイトを融合させるのは前から考えていました」とお答えいただき、TSIの戦略についてお話いただきました。

越智氏:「我々が今後、戦略のひとつとして考えているのが、Unified Commerce Project(ユニファイドコマースプロジェクト)です。これは『店舗とECが一体化したブランド体験を提供する』を定義に掲げ、店舗とECサイトを横断して顧客の趣味嗜好などの情報を統合し、それらのデータを活用してお客様一人一人に合ったサービスを提供することを目指しています」

店舗とECサイトを融合させるには、具体的にどうするのか。現代では店舗を起点にECサイトへ行く人、ECサイトを起点に店舗へ行く人など、ユーザーの行動はかなり多種多様になってきているのだそう。それぞれの接点を一つ一つ洗い出して、デザインし直すことが必要だと考えられています。それに伴い、プロジェクトを実現するために現在考えられている戦術8つを教えていただきました。※本記事では当日お話いただいた施策の一部についてご紹介します。

Unified Commerceの一番の起点となったSTAFF STARTの導入

越智氏:「例えば、直営サイトのコーデ販売徹底強化は、まさにSTAFF STARTを利用させていただいているものです。現在弊社でも7サイト、12ブランドほど利用しており、ECサイトでのセット率向上はもちろんのこと、店頭送客の起点にしています」

越智氏いわく、STAFF STARTの導入は、Unified Commerceの一番の起点になるのだそうです。コンテンツが店舗から発信される仕組みは、ネットショッピングの中心になっていく象徴的な存在だと話します。ECサイトの場合だと、店舗と違いコーディネートの「セット販売」は難しいそう。ですが、STAFF STARTの活用によってコーディネート全体がイメージしやすく、自然な形で他のアイテムも買い物カートに入れられるように。ECサイトの弱点を解消できるともお話いただきました。

他に、小野里から「TSIさんの戦略は業界の中でも先進的なものだと感じます。(当日ご紹介いただいたスライド内の)『来店予約→フリーフィッティング』『接客予約→店頭でのおもてなし』についても、皆さん気になるんじゃないでしょうか?」と声が挙がりました。(※「戦術一覧」の画像参照)

越智氏:「まだ開発途中ですが、フリーフィッティングは、ECサイトで見た気になるコーディネートを丸ごと店舗に予約でき、予約日にお店へ行ったらすぐに試着ができるような仕組みです。そもそも、コーディネートをネットで買うって少し躊躇しますよね……!3〜4点丸ごとECサイトで購入する人は少ないと思います。しかし、実際に店舗で試着をしたいと思っても、店舗でそのコーディネートが出てくるまでどのくらいの時間がかかるのか分かりませんし、在庫が切れているかもしれません。欲しい商品を予約して、お店に行ったらすぐに試着ができるような導線があれば、お客様ともコミュニケーションが取りやすいですし、より快適な買い物体験ができると考え、導入を目指しています」

現在、店舗で販売員たちがお客様とコミュニケーションをとる場合、洋服を見ている際に声かけをするくらいしか仕組みがないそうです。販売員とうまくコミュニケーションが取れずに、欲しいものが試着できなかったというケースもあります。そういった課題を解決するには、デジタルの活用が大きなポイントになってくると説明いただきました。

同時に、岸氏からは販売員への対応についての思いを聞かせていただきました。

岸氏:「店舗とデジタルの融合を目指せば目指すほど、販売員への負荷がかかってしまいます。体制を丁寧にフォローし、販売員それぞれの満足度を高める意識は忘れてはいけません。うまくいっているブランドは、やはりオペレーションが上手にできていて、販売員に対して新しい取り組みを実施する意図をきちんと伝えていると感じますね」

今後はSTAFF STARTを活用したスタッフを、店舗で指名できる仕組みも考えていると話す越智氏と岸氏。コーディネートや体型の悩みなど、一期一会で相談するのではなく、深い繋がりで相談できるようになると洋服選びがより楽しくなりそうですね。

店舗とECを一体化させていくことが、今後のコミュニケーションの中心になっていくのではと、参加者の皆さんに伝えていただきました。

【登壇者】
株式会社 TSI EC ストラテジー マーケティングプラットフォームDiv Div長
兼 株式会社ナノ・ユニバース 経営企画本部 WEB戦略部 部長

越智 将平氏

2002年に株式会社ナノ・ユニバース入社。店舗での販売業務を経て、2005年よりECの担当となる。2010年よりWEB事業の責任者として、EC事業の拡大、CRM、デジタルマーケティングを中心に、店舗とECの融合に取り組んでいる。

株式会社 TSI EC ストラテジー
デジタルプラットフォームDiv Div長

岸 武洋氏

店舗運営〜EC運営までを経験し、2015年4月に株式会社TSI ECストラテジーに入社。各ブランド担当者とブランドが持つコンセプト等に合わせたECビジネス構築、デジタルマーケティング実現のための支援を担当。

株式会社ヤプリCCO

金子 洋平氏

大学卒業後、GMOインターネットでマーケティング、営業、新規事業立ち上げを経験。24歳で「ファッション×インターネット」をテーマに起業、ファッションメディア、ファッションECを11年経営した。2016年より株式会社ヤプリに参画。

株式会社ヤプリ マーケティング本部

和田 理美氏

大学卒業後、電子部品メーカー2社にて既存営業を経験。2016年に創業期のヤプリへ5人目のセールス担当として参画。SHIBUYA109エンタテイメント、プロントコーポレーション、青山学院大学など、業種、業界を問わない50社以上の公式アプリ立ち上げに従事。拡大するセールス組織で、セールスリーダーを経て、累計100以上の公式アプリ立ち上げに携わる。2019年10月より、オフラインマーケティングに所属。