【2026年】小売業界のトレンド振り返り|5つの変化と2027年の展望

物価高、インバウンド、AIなど、2026年の小売業界は大きな変化が続いた1年でした。

この記事では、2026年の小売業界のトレンドを5つに整理し、公的データとともに振り返ります。最後に、2027年の展望と、これからの店舗スタッフの役割を解説します。

この記事の要約

  • 2026年上期の小売業販売額は前年同期比1.9%増(経済産業省)
  • インバウンドは「客数より単価」で回復。7月の百貨店免税売上は25.5%増
  • AIエージェントが買い物を手伝う「エージェンティック・コマース」が始動
  • 2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円で過去最高
  • 2027年は「人の接客」の価値がさらに上昇

2026年の小売業界を振り返る5つのトレンド

1. 物価高のなかでも販売額は増加

経済産業省によると、2026年上期(1〜6月)の小売業販売額は前年同期比1.9%増でした。百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど主要な業態は、すべて前年を上回っています。ドラッグストアは食品の販売が伸び、5.0%増でした。

2. インバウンドは「客数より単価」へ

年初は中国からの渡航自粛の影響を受け、2026年1月の百貨店の免税売上高は前年同月比19.1%減でした。一方、3月以降は回復し、7月は25.5%増まで伸びました。7月の1人あたり購買単価は約10万3,000円(21.8%増)で、客数よりも単価の伸びが売上を支えています(日本百貨店協会の発表より)。

3. アパレル購入の約4分の1がECに

経済産業省の最新の公表値では、衣類・服装雑貨等のEC市場規模は2兆7,980億円、EC化率は23.38%(2024年)です。アパレル購入の約4分の1がECで行われ、店舗とECを行き来する買い物が当たり前になっています。

4. AIエージェントによる買い物が動き始める

2026年は「エージェンティック・コマース元年」とも呼ばれました。エージェンティック・コマースとは、AIエージェントが人に代わって商品を探し、比較し、候補を提案する買い物の形です。GoogleやOpenAIが、AIエージェントと小売をつなぐ規格の整備を進めています。

5. 人件費の上昇と人手不足

2026年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円(56円増)と過去最高になりました(厚生労働省)。人件費が上がり続けるなかで、店舗スタッフ一人ひとりの生産性と定着が、これまで以上に重要になっています。(参考:店舗スタッフの離職率と定着率を上げる施策)

5つのトレンドから見える変化

5つのトレンドから見えてくるのは、「何を買うか」だけでなく「誰から買うか」が重視されるようになったことです。

  • 高額品を買うインバウンド客は、商品知識のある店舗スタッフの接客を求めています
  • ECでも、店舗スタッフの着用写真やおすすめが購入の決め手になっています
  • AIエージェントが情報を集める時代には、実際に商品を扱う「人」の一次情報が信頼の根拠になります

店舗スタッフの接客の価値は、店頭とオンラインの両方で高まっています。STAFF STARTを導入したブランド全体のスタッフ経由売上は、年間2,212億円に達しています(STAFF STARTの実績、自社調べ)。

スタッフ経由売上とは

店舗スタッフが投稿したコンテンツ(スタッフ投稿コンテンツ)をきっかけに生まれたEC売上のことです。STAFF STARTでは「STAFF START経由売上」と呼びます。

スタッフ経由売上について詳しく見る

 

 

2027年の小売業界の展望

2026年の変化を踏まえると、2027年は次の3つが進むと考えられます。

1. 「AIに選ばれる商品情報」の整備

AIエージェントが商品を比較する時代には、商品ページの情報の充実度が売上を左右します。サイズ感や着用感など、店舗スタッフだから伝えられる情報の価値がさらに高まります。

2. 店舗は「体験と接客の場」へ

ECやAIで情報収集が完結するからこそ、店舗はブランドの世界観を体験し、店舗スタッフと出会う場になります。オンラインでつながったお客さまを店舗に呼ぶ流れも強まります。(参考:店舗送客施策とは?)

3. 店舗スタッフを「店頭+オンライン」で評価する仕組みの標準化

人件費が上がるなかで、店舗スタッフの価値を正しく測る仕組みが欠かせません。スタッフ経由売上を評価に加え、店頭とオンラインの両方の成果で店舗スタッフを評価する企業が増えていくでしょう。(参考:販売員の役割はどう変わる?)

よくある質問

2026年の小売業界の主なトレンドは何ですか?
物価高のなかでの販売額の増加、インバウンドの単価上昇、アパレルECの定着、AIエージェントによる買い物の広がり、人件費の上昇と人手不足の5つです。
エージェンティック・コマースとは何ですか?
AIエージェントが人に代わって商品を探し、比較し、候補を提案する買い物の形です。将来的には、在庫の確認から決済までをAIが行うことも想定されています。
2027年に向けて小売企業は何から始めればよいですか?
まずは商品ページの情報を充実させ、AIにもお客さまにも伝わる状態を整えることです。あわせて、店舗スタッフの接客の成果を店頭とオンラインの両方で評価する仕組みづくりを進めることが、人手不足の時代の競争力になります。

まとめ|2027年は「人の接客」の価値がさらに高まる

2026年の小売業界は、物価高、インバウンド、AI、人件費の上昇と、大きな変化が重なった1年でした。その中から見えてきたのは、「誰から買うか」が重視されるようになったことです。2027年は、店舗スタッフの接客を店頭とオンラインの両方で生かし、その成果を正しく評価できる企業が選ばれていくでしょう。

これからの店舗づくりを考えたい方は、次のページもあわせてご覧ください。

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出典
経済産業省「2026年上期小売業販売を振り返る」
経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」
日本百貨店協会の発表(訪日ラボ「7月の百貨店免税売上」「1月の百貨店免税売上」より)
厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(2026年9月3日)