「せっかく育てた店舗スタッフが、すぐに辞めてしまう」。採用難が続く小売業や飲食業では、店舗スタッフの定着が大きな経営課題になっています。
この記事では、業界別の離職率データ、店舗スタッフが辞める理由、定着率を上げる5つの施策を解説します。
この記事の要約
- 卸売業・小売業の年間離職率は15.1%、宿泊業・飲食サービス業は25.1%(全産業平均14.2%)
- 新卒3年以内の離職率は、小売業で大卒40.4%・高卒48.3%(厚生労働省)
- 辞める主な理由は「収入」「人間関係」「評価」「やりがい」の4つ
- 定着率向上のカギは、成果の見える化と正当な評価・還元
離職率・定着率とは
離職率とは、一定期間に退職した人の割合のことです。定着率とは、反対に一定期間後も在籍している人の割合のことです。
- 離職率(%)=期間中の離職者数÷期首の在籍者数×100
- 定着率(%)=100−離職率
たとえば期首に100名いた店舗スタッフのうち、1年間で20名が退職した場合、年間離職率は20%、定着率は80%です。
データで見る店舗スタッフの離職率
厚生労働省の調査では、店舗スタッフが多く働く小売業や飲食業の離職率は、全産業平均よりも高い水準にあります。
| 指標 | 卸売業・小売業 | 宿泊業・飲食サービス業 | 全産業 |
|---|---|---|---|
| 年間離職率(※1) | 15.1% | 25.1% | 14.2% |
| 新卒3年以内離職率・大卒(※2) | 40.4%(小売業) | 55.4% | 33.8% |
| 新卒3年以内離職率・高卒(※2) | 48.3%(小売業) | 64.7% | 37.9% |
※1 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」
※2 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」。新卒の値は「小売業」単独の数値
新卒で入社した小売業の店舗スタッフのうち、大卒の約4割、高卒の約5割が3年以内に離職しています。飲食店ではさらに高く、大卒・高卒ともに半数以上です。
アパレル販売員の離職の特徴
アパレル販売員の離職率は、公的統計では小売業に含まれ、単独の数値は公表されていません。ただし、アパレルの店舗スタッフは個人売上の目標や、土日・繁忙期の勤務、立ち仕事による負担などを抱えやすい職種です。こうした負担に対して、頑張りが評価や収入に結びつきにくいことが、離職につながる要因の一つと考えられます。
店舗スタッフが辞める4つの理由
日本ショッピングセンター協会の調査(2023年度 ES向上・人材確保に関する定量調査)では、離職理由として次のような項目が上位に挙がっています。
- 収入:「収入が少ない」は離職理由の62%
- 人間関係:職場の仲間との関係に悩む
- 評価:頑張りが会社から正当に評価されていると感じられない
- やりがい:自分が必要とされているという実感が持てない
このうち「収入」「評価」「やりがい」の背景には、店舗スタッフの頑張りが見えにくいという共通の課題があります。店頭での接客の成果は数字に残りにくく、評価や収入に反映されにくい構造があるためです。
店舗スタッフの定着率を上げる5つの施策
1. 成果を見える化する
店頭売上だけでなく、オンライン接客の成果も数字で把握します。コーディネート投稿などをきっかけに生まれたEC売上を、店舗スタッフ個人に紐づければ、これまで見えなかった貢献を評価できます。
スタッフ経由売上とは
店舗スタッフが投稿したコンテンツ(スタッフ投稿コンテンツ)をきっかけに生まれたEC売上のことです。STAFF STARTでは「STAFF START経由売上」と呼びます。
2. 評価・報酬に正当に反映する
見える化した成果を、インセンティブや昇給・昇進の評価に反映します。「頑張れば報われる」と実感できる仕組みが、収入面の不満を解消します。
3. お客さまからの感謝を届ける
お客さまからの「ありがとう」を店舗スタッフに直接届けると、やりがいや「必要とされている」という実感につながります。
4. 店舗スタッフ同士で成果を称え合う
社内ランキングや表彰制度で、活躍した店舗スタッフを称えます。成功事例を共有すると、店舗全体の意欲が高まり、人間関係の改善にもつながります。
5. 新しいキャリアの選択肢を示す
オンライン接客で全国のお客さまとつながれば、店舗の立地や規模に関係なく活躍できます。店長だけではない、新しいキャリアの道を示すことも定着につながります。

数値で見る、成果の見える化の効果
成果を見える化すると、店舗スタッフ一人ひとりの活躍が数字で分かり、報酬にも結びつけられるようになります。STAFF STARTの実績データ(STAFF STARTの実績、自社調べ)は次のとおりです。
- 店舗スタッフへの年間インセンティブ還元総額:10億円突破
- 月間売上500万円以上の店舗スタッフ:1,046人
- 店舗スタッフ1人あたりの売上が高い地域1位は栃木県。東京都は8位で、地方店舗からも全国トップを目指せます
また、転職・退職を検討した店舗スタッフへの自社アンケートでは、お客さまからの感謝を届ける支援策があれば60%が「現状の職場で働き続けたい」と回答しました(雇用定着率を上げたいより)。
よくある質問
- 小売業の離職率はどのくらいですか?
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、卸売業・小売業の年間離職率は15.1%で、全産業平均の14.2%を上回ります。新卒の3年以内離職率は、小売業で大卒40.4%、高卒48.3%です。
- 飲食店の店舗スタッフの離職率はどのくらいですか?
- 宿泊業・飲食サービス業の年間離職率は25.1%で、全産業平均の14.2%を大きく上回ります。新卒の3年以内離職率も、大卒55.4%、高卒64.7%と半数を超えています。
- 店舗スタッフが辞める一番の理由は何ですか?
- 日本ショッピングセンター協会の調査では「収入が少ない」が62%で上位です。ほかに人間関係、評価、やりがいに関する理由が挙がっています。
- お金をかけずに定着率を上げる方法はありますか?
- お客さまからの感謝を店舗スタッフに届けたり、社内で成果を称え合ったりする施策は、大きな費用をかけずに始められます。あわせて、店舗スタッフの成果を数字で見える化し、評価に反映する仕組みを整えることが効果的です。
まとめ|定着率向上のカギは「頑張りの見える化」
小売業や飲食業の離職率は全産業平均より高く、店舗スタッフの定着は多くの企業の課題です。辞める理由の根本には、頑張りが評価や収入に反映されにくいことがあります。店頭とオンラインの両方の成果を見える化し、正当に評価・還元することが、定着率を上げる第一歩です。
店舗スタッフの定着率を上げたい方は、次のページもあわせてご覧ください。















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